警告!トイレに行くのを我慢してはいけない理由と公衆トイレで雑菌から身を守る方法

2016年11月 8日

膀胱が破裂しそうなくらいトイレに行きたい場合は、どんな理由があっても我慢しないでトイレに行ってください。

恥ずかしがって尿意を我慢していると大変なことになってしまいます。

なかには、一度トイレに行くのを我慢すると、尿意が一時的におさまるという不思議な経験をすることがありますが、実はそれは、危険なサインの前兆かもしれません。

ここでは、尿意を我慢することによる危険性や細菌に汚染された公衆トイレでの有効対策などについて分かりやすく紹介します。あなたがもし、「公衆トイレは汚いから我慢してしまう」人であれば、雑菌から身を守るのに有効な使用手順があるので役立ててください。

特に、トイレでフタをして流さない人は注意が必要なようです。ヒトの糞便由来の細菌の飛散距離は、2メートルにも及ぶと考えられています。

トイレに行きたいと感じるのはどうして?

一般的な成人の場合、一日の平均的な排尿の回数は、4回から7回だといわれますが、膀胱の許容量や水分の摂取量によって個人差があります。膀胱の許容量は、成人の平均で約450mlで、睡眠時は倍近くになります。

尿が許容量いっぱいになったら、膀胱の壁が伸びて受容体がパンパンに膨れ、脊髄を介して大脳に信号が送られて尿意を感じます。

信号を受けた大脳は、脊髄を介して、排尿を促す指令を出し、排尿筋を収縮して尿道をゆるめることによって、尿が出る仕組みです。

尿意を我慢すると危険な理由

膀胱がんや膀胱を手術した経験がなく、外尿道括約筋と呼ばれる自分で尿を我慢する筋肉が健全であれば、ある程度の尿意は我慢できます。

しかし、尿意を我慢すると、下記のように健康に様々な悪影響を及ぼす危険性があります。

排尿困難、尿閉
排尿に時間を要したり、尿がスムーズに出にくくなる「排尿困難」になり、さらに我慢をし続けると、それに慣れてしまい、膀胱内に尿が大量に溜まっても自覚症状がなくなって、最終的に膀胱が破裂する危険があります。
腎臓の機能が低下
膀胱だけでなく、腎臓にも負担がかかり、腎機能が低下して、尿毒症など様々な病気を引き起こす恐れがあります。
尿路感染症
膀胱内や尿管に尿がたまった状態が続くことによって、大腸菌やバクテリアが繁殖し、尿路感染症になることがよくあります。
主な尿路感染症には、腎盂腎炎(じんうじんえん)や膀胱炎(ぼうこうえん)、尿道炎などがあります。

とはいえ、公衆トイレは汚いから抵抗があるという人も多いと思います。

そんな人のために、下記より公衆トイレでの汚染リスクに役立つ最善の対策について、研究をもとに紹介していきます。

トイレでフタをして流さないことによる驚きの汚染リスク

トイレが細菌に汚染されやすい場所なのは、誰もが知るところです。特に公衆トイレに関しては、雑菌の宝庫といっても過言ではありません。

実のところ、トイレの見えない部分にある大きな問題のひとつが「フタ」にあります。
もし、「フタをしてからトイレの水を流していない」ことに心当たりがあれば要注意です。

おそらく、あなたがトイレで水を流した途端に、便器から約2メートル離れたところまで、細菌のスプレーが発射されているでしょう。目には見えないので分かりにくいかもしれませんが、便座だけでなく、手すりや壁、ドアノブなどあらゆるところに細菌が飛び散ってしまうのです。

それらの微生物のほとんどは無害ですが、なかには恐ろしい下痢を引き起こすサルモネラ菌や大腸菌をはじめ、ノロウイルスなど厄介な感染につながる有害な細菌やウイルスも含まれている可能性があります。

細菌汚染に対する手洗いの影響

想像しただけで「公衆トイレは二度と使わない」と誓いたくなるかもしれませんが、幸いにも菌から身を守るための有効な対策があります。

それは「手洗い」です。拍子抜けするほど簡単ですね。

しかし、現実にはその簡単なステップをスキップしてしまう人も多く、アメリカにおいては、約1/3の人がトイレを使用した後に手洗いをしないことを認めているようです。

それだけではなく、手洗いをする人の多くが適切な方法で洗えていないのも問題となっています。

アメリカ疾病管理予防センター(CDC)は、20秒間の手洗いを推奨しています。それは、youtubeの広告くらい短時間で、誰でも心がけさえすれば簡単に行えるものです。

しかし、実際には手洗いをしているアメリカ人の約60%が15秒以下だといわれ、残念ながら適切な手洗いができていません。

さらに、手洗いは、汲み置きでない水、つまり流水で洗うべきで、石鹸を使用した方がずっと効果的なことも分かっています。

なぜ石鹸で洗うとよいのか

それについては、2011年に、手洗いについて行われた興味深い研究があります。

研究では、被験者が公共スペースのドアノブや手すり、座席などに触れた後、全く手を洗わないAグループ、水道水で手洗いを行うBグループ、石鹸を使って洗うCグループの3つに分けられて調査が行われました。

そして、合計24回、480におよぶ各グループの手のサンプルからヒトの糞便由来の微生物を測定したところ、結果は明確でした。

Aグループからは44%、Bグループでは23%から細菌が検出されたのに対して、Cグループはわずか8%だったのです。手を洗わないよりも、流水で洗った方が細菌は減少し、石鹸での手洗いにおいてはより細菌の除去効果が高く、特にエンテロコッカス属に含まれる菌の減少に有効でした。

ちなみに、石鹸での手洗いは、水だけでの手洗いよりも時間が長くかかりましたが、その差はわずかなもので、細菌の除去結果とつながるとは考えにくかったため、手を長く洗う可能性とは無関係に、石鹸はそれ自体で糞便由来の細菌除去に効果があると考えられました。

これによって、細菌汚染に対して石鹸を使った手洗いがどれだけ有効か理解できたかもしれませんが、驚いたことにアメリカ人の約70%は石鹸を使わないといわれています。

除菌・抗菌石鹸の影響

実のところ、石鹸を使用すればよいというわけでもないようです。

普通の石鹸なら問題はありませんが、「抗菌・殺菌石鹸」やアルコール除菌、ハンドサニタイザーのような消毒剤には、厄介な副作用の心配があります。

さらに効果においては、現段階では、抗菌・殺菌系の石鹸に関しては、通常の石鹸と比べてもその有効性は明らかにされていません

ある研究では、ハンドサニタイザーなどの水が不要の抗菌製品を使用するよりも、石鹸による手洗いの方がA型インフルエンザウイルスの一種(H1N1亜型)への除去効果が高い可能性も示されています。FDA(アメリカ食品医薬品局)も、殺菌・抗菌成分に長期間さらされることによる、耐性菌やホルモンへの影響といった健康リスクが引き起こされることに懸念を示しています。

一般的に、私たちの手は、健康を保つために常在細菌と呼ばれる無害な微生物で覆われています。

しかし、抗菌・殺菌成分が含まれた石鹸は、有害な菌と闘ってくれるそれらの菌を除去してしまいます。また、除菌ソープでは、常在菌は除去できても有害な菌には効果がないこともあり、結果的には感染症にかかりやすくなる可能性も十分に考えられるのです。

「公衆トイレは汚いから我慢してしまう」人がすべき有効な除菌対策とは?

繰り返しますが、公衆トイレは汚いからといって行かないでいると、感染症やその他の大きな問題につながる可能性があるので決して尿意は我慢しないでください。

長年にわたって尿意を長時間我慢する習慣をつけてしまうと、排尿をコントロールする筋肉が緩んで尿もれが引き起こされることもあります。

公衆トイレであなたができる最善策は、できる限り抗菌剤類の使用を避けて、普通の石鹸と流水で20秒間手洗いすることです。

子供に手洗いを教えるときは、手を石鹸でくまなく覆った「泡の手袋」を合言葉にしたり、「きらきら星」を最後まで歌い切る時間を目安にしたりと工夫するのもおすすめです。

そして、感染症につながる細菌やウイルスの飛散を防ぐためにも、トイレの蓋を閉めて水を流すことも忘れないでください。

ここで紹介したように、バクテリアの負荷に対するさまざまな手洗い手順の影響を定量化する研究は、衛生施設が乏しい国や、ヒトの糞便由来の微生物による環境汚染が著しい劣悪な環境における研究に役立つ可能性が期待されています。

参照元