変色したアボカドを食べても問題ない理由とは

アボカドの変色した部分は食べても大丈夫食事・栄養

アボカドの果肉は、リンゴやバナナ、ジャガイモなどと同じように、空気中の酸素に触れると茶色くなります。

しかし、この変色は腐敗の兆候ではありません

これは酸化と呼ばれるプロセスで、ポリフェノールオキシダーゼという酵素の力を借りて、酸素がポリフェノールというアボカドの化合物に反応することで起こります。

以下に、アボカドの変色した部分を食べても問題ない理由について、褐色になる原因や変色を防ぐ方法とともに紹介します。

アボカドの変色は酵素の働きによる「酸化」

アボカドには、果肉が傷ついたり、紫外線にさらされたりすると、その身を守るために酵素を使って、ポリフェノールを酸化させて抗菌効果を高める働きがあります。

このポリフェノールが酸化する過程で、果肉が褐色に変化するのです。

アボカドは、酸素にさらされると、数時間で変色しますがこれはまだ腐敗ではなく、腐るのは、数日放置した後です。

褐色の正体はメラニン色素

この褐色は、実はメラニン(色素)という無害な化学物質によるものです。

このメラニンと呼ばれる色素は、果物だけでなく、あなたの目の虹彩に至るまで、さまざまなものに存在します。

繰り返しますが、アボカドの茶色い部分を食べても問題はありません

しかし、酸化が進めば進むほど、より多くの組織がダメージを受けてしまうのは事実です。

例えば、アボカドに傷をつけたり、長時間冷やしたりすると、酸化が進みやすくなるため、多くの組織がダメージを受けた結果、食感や風味が変化して、ドロドロとした苦い味になってしまいます。

でも、ちょっとくらい茶色くなったとしても食感や風味には問題ありません。

それを証明する実験があります。

緑のアボカドと、数時間放置して茶色くなったアボカドを目隠しをした人に食べてもらったところ、どちらが美味しいかについての意見は分かれましたが、どちらも美味しく食べることができたという結果に。

酵素の働きを低下させてアボカドの変色を防ぐ方法

アボカドが茶色くなる速度は、空気中の酸素量、温度、酸性度など、環境に左右されます。

気温が高いと化学反応が促進され、アボカドは早く茶色くなります。

しかし、アボカドの切り口に柑橘類をふりかけておけば、酸(酸性)が酵素の働きを低下させて酸化を防いでくれるので、より長く新鮮な状態を保つことができます。

その他、サラダやマリネにするなら、オリーブオイル(オレイン酸)や酢(酢酸)もおすすめです。表面に塗っておくと変色を防げるうえ、そのまま調味料にもなります。

もし、茶色く変色してしまったアボカドが気になるようなら、果肉をつぶして混ぜ、ディップとして使うのもよいでしょう。

参照元:Why It’s OK To Eat A Brown Avocado