なぜ硬貨の縁にギザギザがあるのか?

2017年6月 9日

硬貨の種類によっては、よく見ると、縁にギザギザ(等間隔の刻み)があることが確認できます。

アメリカでは、25セント硬貨(クォーター)や10セント硬貨(ダイム)、日本でいうと50円玉と100円玉がそれに相当します。

このギザギザには重要な意味があり、刻まれた理由を紐解くカギは、どうやらアメリカの造幣局が最初に硬貨を製造した頃にあるようです。

ここでは、なぜ硬貨の縁にこのようなギザギザが刻まれるようになったのかについて、過去にさかのぼっていき、その興味深い理由を紹介します。

硬貨にあるギザギザの歴史

アメリカ合衆国造幣局は、1792年の貨幣鋳造法の成立によって、硬貨の製造や流通を目的に創設されました。

当初造幣局によって製造された硬貨のなかには、金や銀から作られているものもありました。たとえば、10ドル(通称イーグル)金貨は金で、また、1ドル、50セント、25セント(クォーター)、10セントなどの硬貨は、銀で作られていました。

政府は、硬貨に使われいる材料の価値に基づいて、硬貨の金額を決めましたが、これが結果的に、いくつかの予期せぬ犯罪を生むことになります。

なんと、硬貨の端を少しずつ削り取って、金や銀の粉を集めて売りさばき、利益を得る者が出てきたのです。

そのため、アメリカの造幣局はこういった硬貨から金や銀を盗む犯罪を防ぐために、硬貨の端に等間隔で「ギザギザ」の細い縦溝を刻み始めました。

これによって、硬貨が削られたものかを識別できるようになっただけでなく、偽造硬貨を作ることも難しくなりました。

その後、金や銀を使った硬貨は段階的に廃止されていき、最終的に大恐慌の際に金貨は生産されなくなりました。ただし、50セント硬貨に関しては、1970年まで銀で生産され続けました。

また、硬貨の端のギザギザは、1セント硬貨(ペニー)と10セント硬貨(ダイム)のサイズがほぼ同じだった頃に、視覚障害者が手触りによって硬貨を区別するのにも役立ちました。