実は、私たちの携帯電話は、飛行装備に必要な電波を妨害してしまう可能性があります。
実際に、携帯電話が原因での飛行機事故も起こりかけています。
2017年1月、ボーイング737のパイロットは、飛行中に地図表示と飛行管理コンピューターをすべて失ったと報告。
また、その年の暮れには、737-800型機において、パイロットが乱気流の中、フライトデータを失った例もあります。
山岳地帯での重要な局面で、これらのパイロットは、奇跡的に墜落を回避することができましたが、捜査当局は、誰かの携帯電話の電波が原因だった可能性があるとみています。
以下に、飛行機で携帯電話を使ってはいけない理由について分かりやすく紹介します。
機内でスマホの電源をオフにする理由
飛行機でスマホが使えないのは、窓から落ちる可能性があるからではありません。
携帯電話やタブレット端末などの電子機器は、電磁波を発することがあるからです。
この信号が、以下のように飛行制御機能を妨害したり、管制官との無線通信がノイズで妨害されたりする可能性があります。
携帯電話が電波を妨害
携帯電話会社の電波塔(地上の基地局)は、飛行機から何キロも下の離れたところにあります。
すると、携帯電話はより強い電磁波を発して遠くにあるネットワークを検知しようとします。
この電波が強くなるほど、窓や機体の隙間から外に漏れてしまい、飛行機に外付けされた通信用アンテナがその電波をひろってしまう可能性があったのです。
すると、航空機の電子機器やケーブル、通信機器に干渉してしまうおそれがあります。
特にパイロットは、離着陸の際や地上との距離を知るためにこの機器を必要としているのです。
そのため、飛行機に乗るときは、携帯電子機器は電源を切るか、機内モードにするよう指示されているのです。
これによって、スマホからの電波の発信を抑えることができ、それが機内の電子機器や通信機器を正常に動作させることにつながります。
ただし、スマホやタブレット端末などの電子機器の影響への実態調査がすすむにつれて、「機内モード」であれば、機内のwifiを使えるサービスを提供している航空会社も増えてきています。
また、窓からの電磁波がもれたり外界から侵入したりするのを防ぐ電磁シールドが機体に取り入れられるなど飛行機も進化しており、電子機器の利用も緩和され、より快適に空の旅ができるようになってきたようです。
リチウム電池は手荷物に
また、航空会社は、携帯電話のようにリチウム電池を搭載した機器は、預けるのではなく手荷物として機内に入れておく方がよいといいます。
リチウム電池は、携帯電話やノートパソコン、カメラなど、日常的に使われるあらゆる機器に内蔵されています。
熱に弱く、発火しやすいリチウム電池は、空気が乾燥した飛行機では大きな事故になりやすいからです。