ステーキ肉や生肉からにじみ出てくるあの赤い汁は、しばしば血液と間違われますが、実は全く異なる液体です。
この汁は、肉を冷凍輸送することによって出た水分と筋肉内にある「ミオグロビン」と呼ばれるたんぱく質が混ざり合った液体で、英語では「weep」や「purge」と呼ばれています。
ここでは、赤身肉からにじみ出る赤い汁の正体「ミオグロビン」について、汁がにじみ出てくる理由やそれがなぜ血液のように赤い色をしているのかを中心に、TEC INCIDERから分かりやすく紹介します。
肉から赤い汁がにじみ出る理由
市場に出回っているほとんどの肉の成分は、75%が水分で、25%がたんぱく質、残りの5%が脂質や炭水化物、ミネラルなどです。
肉を冷凍した場合、なかに含まれている水分は膨張して氷の結晶になりますが、このとき、結晶の鋭い角が、肉の筋肉細胞を破壊してしまうことがよくあります。
そして、肉が解凍される際に、氷の結晶が溶けた水分に混じって、筋肉中のミオグロビンがにじみ出てくるわけです。
汁が赤い理由
ミオグロビンは、酸素を筋肉に取り込む役割があり、鉄分を含んでいるために赤い色をしています。ちなみに、血液の赤い色も鉄分をたくさん含んだヘモグロビンによるものです。
そのため、ミオグロビンを多く含む肉ほど赤身の色は濃くなるといわれています。
つまり、赤身肉と鶏肉のような白身肉の違いは、筋肉中に含まれているミオグロビンの含有量によるものです。
一般的に、家畜などの動物を殺して食肉にする過程で、血液は抜かれるので、パック詰めされるときには血液がにじみ出ることはほとんどないといわれています。
参照元:
Your steak isn’t leaking blood — here’s what that red liquid really is