長時間正座をすると足がしびれる理由や対処法について、体の仕組みをもとに科学的に分かりやすく紹介していきます。
長い間正座をしていると、足がしびれてしまうことがあります。足がしびれると、まるで自分の足ではないような違和感を感じ、歩くことすら難しくなってしまいます。
一体私たちの足はどうなってしまったのでしょうか?
足がしびれるとは
慣れない正座をしたら、足がしびれた。これはほとんどの人にある経験かもしれません。
私たちは、しばらくの間、正座のように足(腕も同様)を圧迫する姿勢をしていると、その部分が麻痺して感覚がなくなっていきます。何も感じなくなることから、英語では、手足がしびれることを「sleep(眠る)」と表現されます。
そして、姿勢を変えようと手足を動かした途端に、まるで手足が眠りから覚めたかのようにチクチクとした痛みを感じ始めます。
このとても奇妙な体験のことを「足がしびれた」といいます。
足がしびれると感覚がなくなる理由
足がしびれたときのなんとも言えない嫌な痛みは、体の神経が少し混乱しているために生じるのです。
人の体は、心臓から血管と呼ばれる細いチューブを通って、体の隅々まで血液が送られています。体の循環システムによって、血液が手足の先まで行き届くのはとても重要なことで、それによって体の各部位は正しく働くための酸素やエネルギーを得ています。
しかし、腕や足を圧迫する姿勢が長く続くと、血管が圧迫されて血液が通る道が小さくなり、それより先に血液が届きにくくなってしまいます。
何かに触れたときに、「感じること」ができるのは、体中にある神経のおかげです。
物を拾ったときや、冷たいか熱いものを触ったとき、また、痛みを生じさせる何かに触れるたびに、これらの神経は、触れたものについての情報を脳に伝えるメッセンジャーのような役割をします。
しかし、この働きがうまくいくのは、神経が十分な血液を得ている場合のみです。
そのため、血のめぐりが悪くなるにつれて、感覚神経の麻痺が徐々に強くなり、最終的に無感覚の状態になるのです。
さらに、運動をつかさどる神経も麻痺すると、手足をうまく動かせなくなっていきます。
しびれた足を動かすと痛い理由
姿勢を変えて、しびれた足を動かすと、血管が圧迫から解かれるので、急に多くの血液が流れ始めます。すると、機能が停止していた神経は再び目覚めます。
しかし、目覚めたばかりの神経は少し混乱を生じています。
正直、どんな感覚かを理解しないまま、痛いはずはないのに、痛みの信号を脳に送ってしまうのです。
そして、しばらくして血流が安定してくると、神経の働きも正常に戻ってきます。
しびれたときの対処法
同じ姿勢によって手足がしびれてしまった場合に、できることはただ待つだけです。
しかし、手足を軽く振って、血流を促していくと、元通りの感覚を早めに取り戻すことはできます(約1、2分)。
最もよいのは、しびれを予防するために、足の体勢を変えたり、姿勢を崩したりして、同じ姿勢を長時間続けないようにすることです。