液体にも固体にもなる不思議な「ウーブレック」の作り方

2021年4月 6日

今日は、作るのも遊ぶのも楽しい特別な実験があります。

ネバネバした、スライムというよりも液体のような、とても奇妙な物体「ウーブレック」をコーンスターチと水で作る実験です。

それは、液体のようなのに、手の平で転がすとゴムボールみたいに固まり、手の動きを止めたとたんにドロっと流れ出すという予測不可能な動きを見せます。

一体、どんなときに、どのように、なぜ、温度も変えてないのに液体から固体になったり、固体から液体になったりするのでしょうか?

下記に、ウーブレックの作り方や遊び方、条件によって液体や固体に変わる科学的な仕組みなどを分かりやすく紹介します。

ウーブレックは、作家でありイラストレーターでもあるスース博士の物語にインスパイアされたものですが、物語の世界を飛び越えて、現実では非ニュートン流体と呼ばれる不思議な物体です。

固体と液体の両方の働きをするウーブレック

ウーブレックのヒントとなったのは、スース博士による「Bartholomew and the Oobleck」という物語。

これは、毎日の天気に飽きた王様の話です。

王様がありきたりな天気の代わりに、魔術師を使って、空からゼラチン質と粘り気(接着性)の両方をあわせもった物質「ウーブレック」を降らせます。

今回紹介するのは、まさにウーブレック。魔法がなくても、とてもシンプルな方法で作れます。

固体と液体の両方の働きをするのが特徴です。

奇妙なのは、この物質が、温度を変えなくても固体から液体になり、液体から固体に戻ること。

これは本当に珍しいことです。

そもそも固体と液体の違いって何?

ほとんどのものは、室温では固体か液体のどちらかにしかなりません。

両方ではありません。

では、固体と液体はどう違うのでしょうか?

固体の場合、大きさや形がはっきりしています。触ってみたり、動かしてみたり、ある種類の容器から別の容器に入れたりしても、前と同じ形のままです。

しかし、液体は明確な大きさや形を持たないものです。例えば水。触れれば動きます。

そして、ある種類の容器から別の容器に移すと、新しい容器に合わせて形を変えます。

例えば、恐竜のおもちゃは固体です。立っていても、横に倒していても、同じ大きさ、同じ形をしています。

そして、グラスに入れようとしても、大きさが合わなければ入りません。なぜなら、それは固体で、形が変わらずに保たれているからです。

しかし、水の入ったグラスを倒すと、水があちこちにこぼれて形が変わってしまいます。そして、グラスから別の形のグラスに注ぐと、それに合わせて形が変わります。

なぜなら、水は液体だからです。

液体なのに、固体にもなれる不思議な物体

ほとんどのものは固体か液体のどちらか一方のように振る舞いますが、中にはウーブレックのように両方振る舞うものもあります。

このような固体と液体という複数の性質をもったものを「非ニュートン流体」といい、いろいろな条件下で、液体になったり、固体になったりします。

では、非ニュートン流体と呼ばれる不思議な物体は、どうやって両方の特徴をもてるのでしょうか?

それを見るために、実際にウーブレックを作ってみましょう。

ウーブレックの作り方

必要なものは、大きなボウル、計量カップ、スプーン、コーンスターチ。

まず、コーンスターチ1カップ半をボウルに入れます。

次に、水を1カップ計ります。色をつけたいなら、水に食用色素を数滴たらします。

そして、コーンスターチに水をゆっくりと注ぎ、ハチミツのようなとろみが出て、触るとつかめるまでかき混ぜます。

水っぽい場合は、もう少しコーンスターチを追加してください。

これだけです。簡単でしょう?

さて、一番のお楽しみはこれから。

非ニュートン流体で遊ぼう

まず、ウーブレックが入ったボウルを少しゆすってみてください。中で水のように動きますね。

次に、グラスに注いでみてください。すると、グラスに合わせて形を変えグラスにすっぽりと収まります。

それでは、手に持って、強く握ってみてください。どうですか?

手の中では、固体のように感じられるはずです。こぶしサイズの小さなふにゃふにゃのゴムボールのような感じ。

そのまま、ゆっくりと手を開いてみましょう。

すると、指の間から液体がにじみ出るように、ドロッと形が崩れていきます。

基本的に、流体の速度がその粘度の割合の目安になります。

このように、ウーブレックは、触ったり、握ったりすると、固形物のようにはっきりとした形を形成しますが、放っておくと、あるいはボウルの中で独りでいると、液体のようになります

ウーブレックを触るときのスピードに注目

ウーブレックにゆっくりと指を突っ込んでみてください。

ゆっくりと指を入れると液体に沈むように浸かります。

一方で、素早く指を突っ込もうとすると、固体の表面を叩くように指がはじき返されてしまい、浸けることができません。同様に、トンカチで表面を叩くことすらできます。

次に、ゆっくりとスプーンを浸けた後、勢いよく引き上げてみてください。なんと不思議なことに、ウーブレックをボウルごと持ち上げられてしまいます。

つまり、ウーブレックは、あのおもちゃや普通の水とは違い、常温で固体にも液体にもなるということです。

粒子の反発力がカギ

砂は、一定の速度で流れますが、ウーブレックは、加えられる力や圧力に応じて、流れ方(粘度や流量)が変わります

コーンスターチの粒子の幅は約1から10ミクロン。それは、砂の粒の約100分の1ほどのとても小さな粒です。

そのため、粒子が小さすぎて、ちょっとした温度や蓄積される電荷の影響を受けやすく、大きな粒子では予測できないような動きを見せます。

たとえば、ゆっくりと指をつけたとき、ウーブレックと指の間には電荷がたまり、粒子同士がお互いにわずかに反発し合うため、その隙間の層によって、指が流体のようにすり抜けていくのです。

しかし、勢いよくウーブレックに指をつっこむと、粒と指が接触するときの反発の影響を受けないため、摩擦抵抗が生じて、固体のように作用します。

つまり、指を入れる動作(ウーブレックへの作用)の強さやスピードが、反発効果を左右するのです。

非ニュートン流体の可能性

摩訶不思議ですが、そこがウーブレックのおもしろいところ。

それでは、この特徴をなんとか生活に活かせないでしょうか?

たとえば、道路の穴に、このウーブレックを流すとどうなると思いますか?その上を自動車が通れれば道路補修剤として活用できそうです。

改良すれば、防弾チョッキにも使えるかもしれませんね。

最後に、この実験では1つ注意があります。

遊び終わったウーブレックは、シンクに捨てないでください。排水口を詰まらせることがあるので、ゴミ箱に捨てるか、密封した袋や容器に入れて保存し、後で遊ぶようにしましょう。