まず、おなかの中にある胃を、大きな風船だと思ってください。
一般的に、おなかが「グー」と鳴るのは、大きく膨らんだ胃の風船から空気が抜けてしぼんでいくときに鳴る胃の中の音が聞こえたものだといわれています。
では、なぜおなかの音は、胃が空気の抜けた風船のようにしぼんだとき(空腹時)によく聞こえるのでしょうか?
一体おなかの音の正体は何なのでしょうか?
ここでは、胃の中に食べ物がなくなっておなかがすいた時に胃腸がグーグー鳴る原因やその音の正体について、Tech Insider からドクター(Dr Lisa Ganjhu)による解説を分かりやすく紹介します。
おなかの音の原因
おなかの中から聞こえる音の多くは、胃や小腸、結腸などの消化器官の筋肉が収縮しながら食べ物を移動させるときの蠕動運動(ぜんどううんどう)の音だといわれています。
その他にも、胃腸の中にある液体(飲んだり食べたりしたものや消化液)や食べ物、また、胃腸にたまったガスが移動する時の音が聞こえることもあります。
胃腸の筋肉の収縮は、消化中だけでなく、おなかに食べ物がほとんどなくなった後も、食べかすの残りを全て排出するために数時間おきに起こるため、この蠕動運動のタイミングにあわせて音が聞こえてくることがよくあるのです。
実際には、胃や小腸の中に、食べ物や液体があると、これらが緩衝材の役割をして、おなかの音を吸収してくれています。
しかし、空腹時は、おなかの中に何もないので、音が響いてより一層大きく聞こえてしまうようです。
これらのおなかの音は、医師にとっては、腸閉塞(ちょうへいそく)や消化器官のトラブルなどを診断し、健康状態を知るうえでとても重要な音であり、おなかが鳴るのは、胃腸が健康である証拠だとも考えられています。