セメントの破壊力から地球を救う方法はあるか?

2021年9月27日

世界では、毎月700万人近くの人が都市に移り住んだり、都市で生まれたりしています。

都市はとても効率的です。

人々がお互いに近くに住むことで、人、電力、水、食料などあらゆるものの移動が楽になります。

しかし、これは問題でもあります。

都市化が進むと、それだけビル建設やインフラ整備が進むため、地球全体で考えると、今後40年間、毎月新しいニューヨーク市が建設されるのと同じくらいの量のコンクリートが必要になるのです。

コンクリートは、地球の健康に大きな大きな打撃を与えます。

特に、セメントのパンチ力は計り知れないものだといわれています。

今回は、世界の都市化が急速に発展する一方で、私たちの生活に着実に影響を与えている問題のひとつ「セメント」の地球破壊力と解決策について紹介します。

なぜセメントが温暖化の原因なのか?

コンクリートやモルタルなどはセメントから作られています。

セメントは、加熱した石灰石や粘度に石膏を混ぜて作られた粉です。砂や岩、水をひとつに固めて加工できる便利な建築資材。

もはや今日の都市計画において、なくてはならない建築資材のひとつといえるでしょう。

しかし、残念ながら、セメントは地球温暖化の原因となるCO2(二酸化炭素)の発生源でもあります。

どうやらセメントが地球温暖化の原因となるのには、その製造方法に大きな原因があるようです。

石灰石を加熱する際に燃料から出るCO2

セメントを作るには、まず石灰石を加熱しなければなりませんが、そのためには通常、CO2を排出する化石燃料を大量に使用しなければなりません。

石灰石自体の分解にもCO2が発生

石灰石が化学的に分解されて(セメントに使われる)石灰ができるとき、CO2が空気中に放出されます。

セメントの場合、石灰岩を分解するときに、他の物質よりも多くのCO2が放出されるといわれ、1トンのセメントを作ると、約1トン(0.9トン相当)のCO2が排出されてしまいます。

工事中に重機や乗り物から出るCO2

ほとんどの工業プロセスでは、機械を動かしたり、物を加熱したりするためのエネルギーが、二酸化炭素の圧倒的な発生源となっています。

人類の二酸化炭素排出量の8%がセメントによるもの

現在、セメントは、人類の二酸化炭素排出量の8%を占めるといわれ、これは、飛行機や船、長距離トラック輸送を合わせた量よりも多いのです。

そして、ニューヨークの都市に相当するセメントが1ヶ月ごとに使われていることを考えると、セメントの二重苦によるCO2排出量は増加する一方です。

では、このセメント問題をどうすればいいのでしょうか?

セメント問題の解決策

まず、ビルのいくつかを、木材など他の材料で作ったり、1棟あたりのセメント使用量を減らしたりするという選択肢があります。

また、使用するセメントについては、再生可能な資源やエネルギーを使って製造・加熱する方法もあります。

これらのことは確かに役立つでしょう。

しかし、本当に画期的なのは、セメントに石灰石そのものを使わないことです。

そうすれば、化学分解してもCO2が排出されないからです。

実際に、シリカヒュームコンクリートやフライアッシュ、スラグといった石灰石の使用量を減らせるものや、マグネシウムベースの資材など分解時にCO2を排出しないものなど、すでに石灰石の代替品はいくつかあります。

しかし、現段階では、これらの代替品のほとんどは、製造コストが高すぎたり、まだ開発の初期段階にあったり、あるいは、コンクリートがあまりにも重要な構造資材であるがために暫定的にしか採用されていません。

世界の都市化が環境に与える影響と解決への道

一方で、スラグを採用してつくられた国際地球変動研究所をはじめ、シリカヒュームコンクリートを使ったドバイのブルジュ・ハリファ、マグネシウムベースの資材を使った住宅建設プロジェクト、フライアッシュを使ったアンソニー滝橋など、いくつかの代替セメントは、すでに世界中の主要な建築物や橋梁に使用され、成功を収めています。

石灰石の使用量を減らしたり、石灰石を全く使わないセメントを新しい都市の基礎に使うことで、私たちは具体的な経済効果を得ることができるでしょう。

今回は、世界の都市化が環境に与える影響について、その一つを具体的に説明し、問題の解決策を考えてみました。

一人ひとりが環境への負荷について、身近なことから目を向けていくだけで、それが地球温暖化問題解決への大きな一歩につながるはずです。

当サイトでは、これからも、将来の科学を担う子供たちの役に立つような情報を探して紹介していきたいと思います。

参照元:

The Problem With Concrete