ヘビは鼻だけでなく、舌でも匂いを嗅いでいた

ヘビは舌を使って匂いを嗅ぐ動物・生き物

ヘビの舌先は、2つに分かれています。

実は、これ、左右からの匂いを調べるためって知っていますか?

ヘビは、鼻だけではなく、「舌」も使って匂いを敏感に感じ取ることができるため、嗅覚がとても優れているのです。

そういえば、ヘビはいつも舌を出しているよね

ヘビにとって舌の役割は、「あっかんべー」と相手をばかにするわけはなく、匂いをかいでいるんだったのね

以下に、ヘビが鼻の他に匂いを探るために使う「舌」の役割や仕組みについて分かりやすく紹介します。

生物がエサを探したり、捕食者を察知して危険からいち早く逃げるときに欠かせないのが外からの情報集めです。

私たち人間も、耳や目、鼻などからの情報をもとに、周囲を探索していますね。

さて、生き物の中には、ヘビのように私たちとは少し違った感覚器を使って情報集めをしている種がたくさんあります。さっそく以下にヘビの嗅覚の仕組みをみていきましょう。

ヘビは、鼻とは別の部位でも匂いをかぐ

「匂い」というものは、生物にとって生きていくうえで大きな役割があります。

ほとんどの動物は、何か匂いを嗅ぎたいとき、また、周りに何か臭いものがないかを確認したいときには、鼻で空気を吸い込んで確認します。

それはクッキーや花のような良い匂いかもしれないし、ゴミのような臭い匂いかもしれません。

ヘビも鼻を使いますが、実のところ、もう一つ別の体の部位を使って匂いのあるものが近くにあるか、どちらの方向にあるかなどを理解することができます。

鋤鼻器官とは

ヘビの口蓋にある嗅覚器

それは、鋤鼻器(じょびき)という特殊な器官です。

鋤鼻器官(じょびきかん、またはVNOと呼ばれる)は、ヘビの口内の天井(口蓋)にあります。しかし、この部位で匂いをかぐには、体の他の部位の助けが必要です。

それが「舌」で、ヘビにとって舌は、他の動物とは少し違った働きをしているのです。

舌を出すと空気中や地面にある匂いの元(分子)が 舌に付着するのよ

ヘビは、匂いの分子をキャッチした舌を口の中に引き込み、鋤鼻器官に届けています。

匂いの分子が舌から鋤鼻器官に伝わることで、ヘビは舌で見つけた匂いの正体を理解しているのです。

私たちが鼻で匂いを理解するのと同じね

そうです。ヘビは、嗅覚器「鼻」だけでなく、舌を使うことで、人間や他の多くの動物よりも鋭い嗅覚をもつことができるのです。

生き物にとって匂いはコミュニケーション手段のひとつ

私たちは、耳からの「音」を使って人の話す言葉を聞き、視覚は、文字や絵、手話、身振り手振りなどを目で見て相手を理解し、反応するのに役立てています。

しかし、自然界では、目や耳の他にも、多くの動物がコミュニケーション手段として役立てているものがあります。「匂い」です。

ヘビは鋭い嗅覚神経を使って、他のヘビが発するにおいを嗅ぎ分けることができるのです。

交尾相手を探すときにも、他のヘビの発する性フェロモンに匂いを認識していると考えられています。

さらに、ヘビは舌を使って、匂いの元が右か左かどちらの方向に位置するのかも判断することができるようです。

ヘビは先が2つに分かれた舌で匂いの方向をつきとめる

ヘビは強みの嗅覚を利用して匂いの元の方向を知る

一般的なヘビの舌の写真を見ると分かりますが、ヘビの舌は先っぽで2手に分かれています。

もし、匂いの元が右側にあるなら右側の舌は左側の舌より強い匂いをかぎ取るのです。

このように、ヘビが匂いを嗅ぐのが得意なのは、 周囲を探索するのに役立つからです。

あなたは、自然観察に出かける時 のような感覚を使いますか?

私は、雲や木、キノコが生えた丸太などを目で見て、鳥のさえずりやハチの羽音などを耳で聞きます。

ヘビはそれらに加えて、嗅覚や舌も使って周りのものを見つけたり、探ったりしているのです。そのおかげで、ネズミが彼らに気づく前に捕まえることもできます。

仮に私たちが、舌を使って匂いを嗅ぐことができたら、日常はどんな風に変わり、どんな感じがするでしょうか?想像してみるだけで、おもしろいかもしれませんね。