紙飛行機の折り方と飛ぶ力の仕組み

キッズサイエンス

ここでは、紙飛行機の基本的な折り方と、よく飛ばすためにはどんな工夫が必要かを考えるためのヒントを紹介します。

まず、紙飛行機を遠くまで飛ばすためには、飛行機にかかる力を頭に入れておかなければなりません。

特に、エンジンのない紙飛行機の場合、「揚力」と呼ばれる飛行機を持ち上げる力が大きなカギとなります。

さっそく実際に紙飛行機を作って、それらがどれだけ高く飛ぶかを見てみましょう。以下に、宇宙で紙飛行機を飛ばすとどうなるかもあわせて紹介します。

紙飛行機の基本的な折り方

紙の中心に折り目をつけるために、角を合わせて紙を半分に折りたたんだ後、広げます。

上側の両サイドの角を中心の折り目に揃えて折ります。下側に正方形があり、その上に2つの三角形がのっているような形になりましたか。

次に、上の三角形のそれぞれの外側の角を、中心の折り目に合わせて折ります。

中心の折り目で半分に折り畳みます。

表と裏の各面を半分ほど折り曲げて翼を作ると、紙飛行機の完成です。

折った紙飛行機がどのように機能するかを実際に飛ばして見てみましょう。

紙飛行機はなぜ飛ぶのか?

紙飛行機が飛ぶために働く力は、空高く滑空する本物の飛行機を飛ばし続ける力と同じものです。

力とは、何かを押したり引いたりするもので、紙飛行機にもいくつかの異なる力がかかっています。

飛行機が飛ぶために必要な「推力」

まずは、飛行機を前に進ませる力が必要です。

前に進ませる力のことを飛行機では「推力」と呼びます。

実際の飛行機では、推力はエンジンの働きによって生み出されています。

エンジンが、大量の空気を取り込んで、それを高速で後方に押し出すことで飛行機を前に進ませているのです。

しかし、私たちの紙飛行機は紙でできているだけなので、エンジンはありません。

一体紙飛行機はどのようにして推力を得ているのでしょうか?

それは、最初に紙飛行機を前方に押し出す力で、あなたが推力を与えているのです。

紙飛行機はそれ以上の推力を得ることができないため、最終的には地面に落ちてしまいます。

飛行機を空中で持ち上げる力「揚力」

次に、前進させるだけでなく空中にも浮かせたいので、飛行機を上に持ち上げるための別の力が必要となります。

これは「揚力」と呼ばれ、飛行機の形状から来ています。

ただの広げた紙を飛ばすのは難しいですね。それは、紙が飛ぶためには頑丈な翼が必要だからです。

実際に、人類初の動力飛行機を飛ばしたライト兄弟もどのような翼の形が一番飛ぶのか研究を重ねたといわれています。

揚力は、飛行機の翼が空気を切り裂くと発生します。

飛行機の翼が押し出した空気が、翼の形に沿って翼の上を速く移動するほど、空気が翼を押し下げる時間が短くなります。そのため、翼の上の空気は翼の下の空気よりも飛行機を押す力(圧力)が少なくなるのです。

つまり、飛行機を持ち上げる力(揚力)が、重力より大きくなるので、飛行機が浮き上がるという仕組み。

大きな飛行機は小さな飛行機よりも地面から持ち上げるためにより多くの揚力を必要とします。

だから大きな飛行機には、大きな翼が必要なのです。

残念ながら、紙飛行機の翼はとても薄いので、揚力がほとんどありません。そのため、遠くまで飛ばすにはかなりの推力が必要となります。

それには、紙飛行機を強く投げる必要がありますが、実は、翼の厚みや形を変えるなどの工夫によって揚力を上げることは不可能ではありません。

実際に紙飛行機の世界記録は、2023年にA4サイズの紙で作られたもので距離は88.31m、滞空時間の世界記録は29.2秒です。

ぜひ、みなさんも紙飛行機の折り方や翼の形を工夫して、一番遠くまで飛ぶ折り方を見つけてみてください。

宇宙で紙飛行機を飛ばすとどうなる?

空中を滑空する紙飛行機は、専門家たちに飛行、工学、空気力学の基本概念を教えてくれます。

実は、アメリカ航空宇宙局(NASA)も、実際に紙飛行機を宇宙に飛ばしたことがあります。

さて、みなさんは、空気も重力もない宇宙で紙飛行機を飛ばすとどうなると思いますか?

空気を下に押し下げる重力がないため、手で押された紙飛行機はそのまままっすぐ、または、少し上に向けて進みます。その後は、他の物体や力にぶつからない限り、永遠に浮き続けることができるのです。

参照元:How to Make a Paper Airplane