なぜ私たちは笑うのか?

なぜ私たちは笑うのか?人体の不思議

人間は、さまざまな理由で笑いますが、ほとんどの場合、面白いこととは関係ありません。

私たちは、一人でいるときよりも、周りに人がいるときの方が30倍も笑う確率が高いといわれます。

どうやら人間をはじめとする動物の「笑い」には、ユーモアというよりも、社会的なことが大きく関係しているようです。

以下に私たちは一体何のために笑い、何を伝えようとしているのかについて紹介します。

笑う動物は人間だけではない

笑いは、本当に不思議なんです。

ときには顔を歪め、他人に向かって歯をむき出しにしながら、抑えきれずにうめいたり、過呼吸気味になったりすることさえある笑いは、とても奇妙だと思いませんか。

実際に笑う動物は、人間だけではありません。

霊長類も笑うし、犬も笑うし、ネズミでさえも笑います。

実際に、ラジオ・ラボのスタッフはネズミをくすぐってその笑い声を録音しています。

そして、このような動物の笑いは、くすぐりや楽しさに関連することもありますが、ほとんどが社会的なことだと考えられています。

もし、笑いがコミュニケーションの一形態であるならば、私たちは一体何のために笑うのでしょうか?

私たちは、以下のように人に理解を示すため、他人を好意的に受け入れていることを示すため、気まずい状況を和らげるため、そう、時には意地悪をするためにさえ笑うのです。

笑いはユーモアよりも社会的なことが関係している

私たちも同じです。

発達神経科学の分野でのロバート・プロバイン博士などの研究者らが、何百人もの人を対象に社会的な状況での笑いを調べた結果、ユーモアに反応して笑うのは5回に1回以下であり、ジョークが絡むと、それを話す人の方がはるかに笑う可能性が高いことが分かっています。

笑いは、一見すると何かに対して無意識に起こる瞬間的な反応のように見えますが、実はもっと複雑で、ユーモアのセンスとは意外に関係がないようです。

笑いは伝染する

あくびもそうですが、笑いも意外と伝染します。

1962年1月30日、タンザニアのある寄宿学校で、3人の少女がくすくすと笑い始めました。

この笑いは学校中に広がり、最終的に95人の生徒が爆笑し、ある生徒は16日間笑い続けたといいます。

後に「オムネエポ」と呼ばれる症状です。

この「オムネエポ」の結果、学校は一時的に閉鎖をよぎなくされされ、笑いの流行は故郷に帰った少女らの村にも広がり、学童と若者を中心に数百人もの人々に感染し、14の学校が閉鎖され、1000人近い人に影響を与えました。

このナゾの事件は不思議なまま、突然幕を閉じました。

アメリカのパデュー大学チャールズ・F・ヘンペルマン氏は、「オムネエポ」が独立を果たしたばかりのタンザニアで大人からの期待が大きかった若者のストレスからくるものではないかと推理しています。

笑いは安堵の表現

私たちは、ストレスの多い瞬間に安堵を表現したり、神経を和らげたりするために笑います

研究者は、笑うにはいくつかの特定の理由があると理論付けています。

まず、笑いを誘発するのは驚きの要素であるという矛盾した理論があります。

たとえば、友人が歩いている(予測可能で退屈な行動)とバナナの皮にすべってこけたとします。

バナナの皮はナイフとは違い安全なので、危険がないことを確認したらその友人の突然で予期せぬ転倒は、愉快なものになるでしょう。

いないいないばぁで笑う赤ちゃんのように、小さな子供たちはこの種の笑いをよくします。

さらに、もしあなたがこけた場合、一緒にいる友人があなたと一緒に笑っているのを見ると、笑ったり驚いたりする可能性がはるかに高くなります。

これは社会的絆として共有された笑いです。

ストレスの多い脳に休息を与える

笑いはときに精神的な休息を脳に与えます

あなたの脳は常に働き、あらゆる種類の情報を取り込み、自分の周囲に秩序を与えるのに忙しくしています。

そのような脳には、時にただ嬉しいサプライズが必要な場合もあり、「笑い」はストレスの多い瞬間に特に有効なのです。

サスペンスに満ちた映画で、主人公が致命的な危険にさらされている真っ只中で、冗談を言って気分を明るくするようなシーンはまさにこの考えに基づいています。

観客がストレスの多い状況に対処するのに役立ち、科学者はこれを認知エネルギーの解放と呼んでいます。

脳の再充電と呼ばれることもあります。

社会的な絆を強める

笑いは知り合いから伝染する可能性が高く、ユーモアというよりは社会的な絆の強化に根ざしていると考えられています。

親しい間柄では、ストレスの多い状況に笑いで対処しているカップルほど、長く一緒にいる傾向があり、満足度も高いと報告されています。

笑うことは、どうやら私たちの愛を助けるようです。

一人でいるよりもグループで笑う傾向があり、友人や家族の周りではより簡単に笑う傾向があります。

笑いという経験を共有することで私たちはより親密になり、グループの一員であると感じるようです。

不信感を解消する手段

笑いは驚くほどごまかしがききませんし、私たちの脳はその違いを見分けるのがとても上手です。

ただし、子供の頃は本物の笑いと偽物の笑いを見分け難いため、伝染性の笑いに弱いようです。赤ちゃんに笑いがうつるのが簡単なのはそのためかもしれません。

しかし、もし私たちが本物と偽物の笑いを見分けるのが得意で、笑いが究極的にはコミュニケーションの一形態だとしたら、なぜ映画で笑うのでしょうか?

脳の高次元の分野では、見ている俳優が私たちと一緒にいないことや、彼らが演技をしていることを意識しています。

偽物とわかっていても笑えるというのは、不信感の解消の究極の例かもしれません。

スクリーンの中の何かを見るとき、私たちは本当にその人がすぐそこにいて、少なくとも何らかの形で彼らを知っているとただ信じているのです。

とはいえ、なかには悪い意味の笑いもあります。

笑いは心と体のエクササイズになる

こけたあなたを笑う周囲の誰もが友達ではない場合、彼らは優位性を示している可能性があります。

その場合、彼らはあなたの不幸を笑っていることを意味し、善意よりも一種の軽蔑の方が強くなります。

10代は特に精神的に混乱しやすく、このような優越感に満ちた笑いは、彼らが感じる日頃のストレスや痛みの一部を和らげるのに役立っているのかもしれません。

笑いは、戦うか逃げるか反応を引き起こすストレスホルモンの放出を減らし、血圧を下げ、血流に酸素を供給します。

100回笑うと、15分間自転車に乗るのと同じくらい多くのカロリーを消費すると推定されてもいます。

どうやら笑いは最高の薬ではありませんが、悪い薬でもないようです。

人と一緒に気分を良くする方法「笑うこと」

たしかに笑いはいつも幸せな時間を示すとは限りません。

ときには、笑いが神経学的な病気など深刻な問題があることを示す兆候であることもあります。

しかし、私たちはもっと笑うべきかもしれません。

笑いは、ただ自分の気分を良くするだけでなく、人と一緒に気分を良くする方法なのです。

笑い方は教かに教えられたわけでもなく、どこの国の人もほとんど同じように笑います。

笑いは、地球上の人々が共有する稀有で美しいものの1つ、言語や地理、生活様式の境界を越えた人間的な経験なのです。

参照元:
Why Do We Laugh?
Why Do We Laugh?