「ラバランプ」とは、カラフルな液体のなかを不思議な浮遊物がゆらめく幻想的なランプです。
おそらく「どんな仕組みなのか?」気になっている人は多いのではないでしょうか?
ラバランプの中には、「パラフィンワックス」と「水」、そして溶岩(Lava)を模した浮遊物を浮かせるために必要な謎の化学物質が入っています。これがかなりの悪臭のようです。
では、以下にランプの中で浮遊物がゆらめく仕組みを解き明かしていきましょう。
油、(食品用着色剤を垂らして色付けた)水、発泡錠剤を使うと、家でも簡単に即席ラバランプを作って楽しむことができます。
溶岩(ラバ)の正体はロウ
開けてみて分かったことは、単純な仕組みではないこと。
ラバ・ランプを製造しているシリング社の製品開発担当副社長、ブライアン・カッツェル氏は、ラバランプの作り方は、企業によって昔からかなり守られてきた秘密事項だといいます。
彼は、その言葉どおり、完全な作り方までは教えてくれませんでしたが、いくつかの重要な材料は明らかにしました。
ラバランプの中には、主にパラフィンワックスと呼ばれる蝋(ロウ)が入っています。それが「溶岩」を模した浮遊物の正体です。
パラフィンワックスは、石油から作られる一般的なワックスで、手作りキャンドルの材料や化粧品などにもよく使われています。
でも、手に取ってみると、溶けたロウという感じはまったくなく、つぶしたかぼちゃのような触感です。
ラバランプの液体の材料
ラバランプを満たしている液体の正体は何なのでしょうか?
カッツェル氏によれば、そのほとんどは水だそうです。
ワックスは水と混ざらないので、それはとても理にかなっていますね。
ただし、ほとんどというように、水だけではありません。
水には、瓶の中でカビが生えないようにするための化学物質やカラーリング(着色)剤も含まれています。
そして、カッツェル氏が秘密にしている隠れた魔法の材料があります。
この「魔法」が、実は溶岩ランプをうまく機能させるうえでとても重要です。
ラバランプでは、2つの液体が別々に存在するわけですが、魔法の材料でそのうちの1つを踊らせたり、上下させたりする効果を持たせているのです。
それには密度が関係しています。
溶岩(lava)が上下する理由「密度」
ラバランプは、密度がすべてです。
ランプが消えているとき(温度が低い)、ロウは周りの液体よりもわずかに密度が高くなるため、底に沈みます。
ランプを点灯させると、台座の電球がランプの内部を加熱し始めます。
そして、ロウは温まると膨張して密度が低く、つまり軽くなって浮くようになるのです。
どんどん上に浮き上がっていき、熱源から遠く離れたランプの上部に到達すると、冷えて再び収縮し、密度が増して、下に落ちます。
これが溶岩(Lava)を模したロウが浮き上がったり、沈んだりを繰り返しながら液体の中を浮遊する理由です。
水より軽いはずのロウが沈むのはなぜか
一般的にロウは水より軽く、重くはありません。
それでは浮遊物が沈まないため、ロウに魔法の添加物を加えて水よりも重く(密度を高く)する必要があります。
そのため、添加物をロウが水にちょうど沈み始める量だけ加えます。
企業によっては、ロウの密度を高めるために四塩化炭素を混ぜているところもあるそうです。
すると、加熱しながら液体をどちらか一方に傾けたり、もう一方に傾けたりすることで、熱による対流を利用して溶岩を躍らせることができる仕組みです。
ラバランプの添加物は企業秘密
カッツェル氏の会社のラバランプの場合、この添加物はワックスではなく液体に含まれているそうです。
その特別な添加物が何なのかは企業秘密で、私たちには確かなことは分かりませんが、1996年に発表されたある研究がヒントとなり、おそらくなんらかの鉱物油を使っていると推測されています。
その研究によると、ある銘柄のラバランプには灯油が含まれており、その灯油が液体の密度を低くしている可能性があるようです。
家で手作りしたいなら、油と水とアスピリンだけで、基本的なラバランプは作ることができます。
その「魔法のような」添加物が何であれ、実際に製品となっているラバランプを開けて確認しようとすると、かなりの悪臭がするので、興味本位で既製品は開けない方がよさそうです。
よく見ると、ラバランプの説明書にも開封しないようにとの注意書きが。
ラバランプを家で作る方法
即席ラバランプの作り方はとても簡単です。ペットボトルやグラスに食紅などの食品着色剤で色付けした水と(1:3)油を入れ、発泡錠剤を入れるだけ。