「くさり(チェーン)作り」の製造工程が驚くほど美しい動画

ジャックチェーンの作り方身近なふしぎ

1本のワイヤが、何トンもの機械の力によってアールに成形され、熱処理によって、一層強固なものに変化していく姿を見ると、くさり(チェーン)を作る工程がこれほどまでに美しいことに驚かされます。

全てにおいて正確に成形し続ける機械美。

それは、決められた工程で、寸分の狂いもなく鋼の長さや太さを揃え、一つ一つのパーツを規則正しく組み合わせていきます。

合理的に考えられた機械から生み出されるチェーンは、非常にシンプルな構造ながら、ダイナミックで力強さがあります。

以下に、1本の鋼からくさり(チェーン)が作られていくまでの一連の工程をグラフィカルな視点で紹介した動画を紹介します。ものづくりの現場に目を向けてみると、今まで見えなかったくさりの美しさにきっと気づかされるはずです。

ジャックチェーンの作り方

電気を吊るシャンデリアチェーンや遊具用チェーン、家庭用品などによく使われている8の字に輪をつないだ「ジャックチェーン」の作り方です。

Process Of Making Chains Is Surprisingly Beautiful

1. ワイヤを強くする

まず、くさりを作るために、コイル状に巻かれた線材(鋼のワイヤ)をドラムが回転しながら巻き解いていきます。

巻き解かれた1本のワイヤは、ガイドリング(輪っか)の中を通って、スチール製のボックスに引き込まれます。このボックス内で、潤滑油が塗られていきます。

その後、ワイヤの直径よりも細いダイスの穴を通します。この細い穴をドラムで引っ張りながら通すことで、ワイヤは細く圧縮されて、より強固になるのです。

2. くさり型に成形する

電気駆動の成型機によって、くさりの形に成形され、どんどん繋がれていきます。

まず、「ジャー」と呼ばれる道具が、ワイヤを前方に押し出し、続いて、両サイドから出てきた突起が、Cの形に折り曲げて輪っかを作るように閉じます。

できた輪っかには、新たなワイヤが通されて、先ほどと同じ工程が繰り返されます。

道路などによく使われている分厚いチェーンの作り方

道路などに使われている分厚いチェーンは、ローラーが引っ張りながら分厚いワイヤをまっすぐに成形するところから始まります。

その後、鋭い突起をしたスティールカッターが、両サイドから出て、ワイヤに等間隔の切れ込みを入れます。

ローラーアームが、切れ込みに沿ってワイヤを切り、切ったワイヤを曲げて成形していきます。

このローラーアームは、いともたやすくワイヤを曲げているように見えますが、実際には、強固な鋼をくさりの形に成形するために、何トンもの圧力がかけられているそうです。

そして、溶接されたばかりのチェーンは吊り下げられて、熱処理コイルの中に通され、オレンジ色になるまで加熱されます。このときの温度は、なんと940度に相当します。

チェーンは、高温で熱せられることによって、分子構造が変化し、より強固になっていきます。

その後、一度冷まされてから再度熱湯にくぐらされます。これによって、脆弱性(ぜいじゃくせい)が取り除かれて、鋼に柔軟性が生まれるのです。