なぜ河口には突き出た部分(三角州)があるのか?

2017年8月31日

人間は、大きく分けてでべそと引っ込んだおへその2種類があります。

実は、川も同じで、川から海に出る河口地点(河川と海洋をつなぐところ)では、地理的に海に突き出した地形と陸側に引っ込んだ地形の2つがあります。それでは、どうしてこのような2つのタイプの河口が存在するのでしょうか?

ここでは、川と海の境である河口に、なぜおへそのように突き出した「三角州」があるのかについて、河口の成り立ちを中心にMinuteEarthから分かりやすく紹介します。

川と海の境の仕組み

川と海の境は、陸側からと海からの相反する(反対向き)の力が加わっています。これについては、陸と海の陣地争いをイメージすると分かりやすいかもしれません。

たとえば、海が陸に侵入したら、海面は上がり、陸は海に浸水します。逆に、陸が海に侵入するには、海面を下げるか、陸を作って地面を持ち上げる必要があります。

基本的に、海面が下がることで、陸も海も再び元のように戻りますが、この陣地争いに川が関わってくると、状況はより複雑になります。

三角州はどのようにしてできたのか?

氷河が地表の多くを覆っていたおよそ10万年前までは、海面は今よりも120メートル以上も低く、川は、深い谷をより深く切り崩して海に到達していました。

そして、18,000年前頃には、温暖化によって氷が溶かされた影響で、海面が上昇して世界各地で川が谷間に氾濫し、それによって巨大な河口が作られ、今日のような海岸が生まれていきました。

その後しばらくすると、海の水の勢いは減速していき、7000年前頃にはいくつかの陸の海が後退したため、沈んだ土地を取り戻した地域もありました。この陸が海から土地を取り戻すことができた要因となったのは、河口の堆積物だったといわれています。

川が運んだ土砂が十分に蓄積し、かつ、海が十分に落ち着いていた場合、これらの堆積物がどんどん積み上げられていったためです。

このようにして積み上げられた堆積物によって、河口には新しい陸の突起が生まれていき、それが川を分裂しました。この工程が何度も何度も繰り返されることで川の分岐点がたくさん生まれ、最終的に、陸による海の侵食筋がゆっくりと形成されていきました。

まとめ

このようにして、地理的に突き出した河口には、肥沃な三角州が誕生し、ナイル川や揚子江のように、人類の文明の発達を助けてきました。

これが世界中の河口の歴史に全て当てはまるわけではありませんが、壮大な年月をかけて形成された川の歴史に比べると人類の歴史は非常に浅いものだといえます。

最後に、世界の河川や三角州を研究している科学者は、次のように言っています。

「人間の活動によって、川でダムの建設や人為的に水路を変える工事が行われたり、気候変動による海面上昇が起こったりと、はるかな年月をかけて生まれた河川の地形が脅かされていることに対して、私たち一人ひとりが注意を払わなければ、自分達が最初に文明化できた地形を失ってしまうであろう」と。

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