殺虫スプレーはどのようにゴキブリをやっつけるのか?

ごきぶり殺虫剤の仕組み動物・生き物

ゴキブリはとても素晴らしい生き物です。

とはいえ、おそらく大半は共感できないでしょう。しかし、ゴキブリができる偉業を見れば、 あなたは同意するかもしれません。

まず、ゴキブリは40分間息を止めることができます。

水がなくても数日、食べ物がなくても1か月、頭がなくても数週間は生き残ることができるのです。

しかし、そんなゴキブリにも究極の宿敵があります。

それは、「ゴキブリスプレー」の猛攻撃です。

これにはどんなキブリもたちうちできません。

一体、ゴキブリがいなくなるといわれる殺虫スプレーは、なぜ、どのようにこれほどの生命体に打撃を与えることができるのでしょうか?

以下にみていきましょう!

生理機能を阻害する化学物質

人類は古来より自然由来の殺虫剤を利用してきました。

そして、そのほとんどは、天然の植物毒素または硫黄や塩素酸ナトリウムなどの化学物質に由来したものでした。

基本的に、虫よけスプレーや殺虫剤は、虫のもつ特定の生理機能を阻害する化合物です。

多くの種類の殺虫剤は、すべての昆虫に無差別に影響するのか、または、ターゲットが特定の種や科固有のものなのかに分けられます。

これらは、虫の神経系を損なわせるものもあれば、呼吸を標的にして昆虫が酸素を利用するのを妨げるものや、昆虫の成長と繁殖能力を標的とするなど、さまざまな方法で虫に致死的な影響を与える能力があります。

ゴキブリスプレーの種類と効能

人気のあるゴキブリスプレーは、ピレスロイドとカーバメートの2つの大きなタイプに分類されます。

神経ニューロンの機能を損なわせる

ピレスロイドは、昆虫に対する神経毒であり、ほとんどの家庭用殺虫剤や防虫剤に含まれる即効性の化合物です。

合成化合物ですが、 ピレトリンと呼ばれる除虫菊(シロバナムシヨケギク)の花から作られた天然の殺虫成分に似た神経毒性があり、ゴキブリのニューロンの機能を損わせて、麻痺させます。

この化学物質は、虫のニューロンの膜を介してナトリウムとカリウムを輸送するタンパク質を標的とたものです。

ニューロンは、適切なタンパク質チャネルを介してこれらのイオンをコントロールしてインパルスを送る働きがあります。

これを標的とすることで、非常に少量のピレスロイドで、ゴキブリを駆除できるうえ、同じ濃度であれば人間には比較的無害であることも普及している理由です。

特定の酵素を標的

一般的な化学農薬成分の一つに、カーバメートもあります。

このクラスの農薬は、炭酸に由来したもの。

これらの化合物は、アセチルコリンと呼ばれる神経系の化学伝達物質を分解する役割をもつ「コリンエステラーゼ」と呼ばれる特定の酵素を標的とします。

まず、ニューロンはアセチルコリンを放出して、他のニューロンや筋肉と通信し、収縮のシグナルを与えています。

ここで、カーバメートが働きかけると、アセチルコリンが分解されずに常に他のニューロンを刺激して、ゴキブリの筋肉を収縮させるという一大事を引き起こすのです。

神経インパルスでおこる他の障害は、昆虫の体全体に大混乱を引き起こし、最終的には昆虫を死に至らしめる可能性があります。

農薬の生物蓄積

残念なことに、自然界では、多くの農薬が土壌や動物の体に残っており、それを摂取したり、そこから汲んだ水を使用したりすることによって、人間も摂取する可能性はあります。

そのため、これらの化学物質と身近に生活しているのであれば、それらの性質とその力について私たちはもっと知る必要があるといえるでしょう。

参照元:Raid Baygon