あくびがうつりやすいのには、共感に関わる脳の部位が関係していると考えられています。
特に家族、次いで友達というように、あなたと親しい人ほど伝染しやすい可能性があるのです。
以下、あくびがうつりやすい理由について、あくびの役割や脳の仕組みをもとに紹介します。
共感能力
一つ目は、共感能力。
共感とは、相手の気持ちを理解し、共有する能力です。
たとえば、周りの人が楽しそうに笑っていると、私たちにも良い影響があります。
人の笑顔や楽しそうな様子を見て、私たちも気分がよくなったり、笑顔になれたりすることがあるのです。
ミラーニューロンの働き
もう一つの説は、ミラーニューロンに関係するもの。
脳内に存在するミラーニューロンによって、他人の行動をマネるという説です。
私たちの脳は、他人の行動をコピーしたり、まねようとしたりする特徴的な性質をもつ細胞があります。
ミラーニューロンとよばれるもので、他の人の行動を見ているにもかかわらず、自分が行動するときと同じように活動する神経細胞です。
他の人があくびをするのをみると、このミラーニューロンが活性化し、あくびをマるようになるのです。
あくびがうつることは何を意味するのか?
ミラーニューロンは、他の人の気持ちを理解し、協調をうながす手助けとなり、この学習能力を進化させて人間は社会の絆を強くしてきたのかもしれません。
実は私たちだけでなく、社会性のある動物もまたこの共感能力をもちあわせており、周囲への危険性をお互いに共感して、身を守るのに役立てられてきたようです。
また、あくびによって大きな口を開けることは、身体の覚醒を促し、周囲への警戒心を保つ方法の一つだとも考えられています。