氷はなぜ水に浮かぶのか?

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氷が、ただ凍っただけの水であれば、同じ水からなる物体にもかかわらず浮かぶのはなぜでしょうか?なぜ沈まないのでしょうか?

それは、密度のせいです。

密度とは、単位体積あたりに存在する質量。

密度は、物体の形や大きさに関係なく、重さを比べるときに使われる尺度です(質量は一定ですが、重さは一定ではない)。

密度が小さいほど質量は軽いことを意味します。

では、なぜ氷の方が水よりも密度が小さいのかについて、以下にその理由を見ていきましょう。

氷は水よりも軽い

氷が水に浮かぶことは、水が氷よりも密度が低いことを示す簡単な方法です。

すべての水分子は2個の水素原子に1個の酸素原子が結合(水素結合)しています。

しかし、水素原子は、自分の酸素原子以外に、周囲にある他の水分子の酸素原子にも引き寄せられる性質があり、水素結合を形成しようとします。

液体状態では、離れたり(切断)、またひっついたり(再結合)を常に繰り返しているので、水素結合は強くありません。

そのため、分子は無秩序なパターンに配置されやすく、水分子同士の隙間はとても狭くなります。

しかし、温度が摂氏4度以下に下がり、氷が形成され始めると、水素結合は強くなり、安定したものになります。

氷ができるころには、六角形のパターンが形成され、すきまが多くなります。同じ質量が、より大きな空間を占めることになるのです。

実は、水は凍ると膨張する珍しい物体だったのです。

この大きなすきまによって、氷は水よりも密度が低くなり、あるいは軽くなり、氷が水に浮くようになるというわけです。

白いにごりのできた氷の場合、氷の中に空気が閉じ込められているので、さらに密度は小さくなります。これは、透明な氷が重宝される大きな理由でもあります。

氷が沈む液体

では、氷が沈む液体は存在するのでしょうか?

消毒用アルコールや油など、氷よりも密度の小さい液体であれば、氷は沈みます。

興味があれば、他の液体についても、夏休みの自由研究などで調べてみるといいですね。

参照元:Why does ice float?