かゆみをひっかくのは、虫やなんらかの刺激性の侵入者を排除するための、体の防衛反応です。
つまり、かゆみは、「危険な可能性のあるものを除去しろ」という脳からのメッセージを受けた自然な反応だったのです。
では、かゆいところをかきむしると、気持ちよく感じるのはなぜでしょうか?
以下に、私たちの体の何がそうさせるのかについてみていきましょう。
なぜかゆみをひっかくのか?
人体で最大の臓器「皮膚」の重要な役割のひとつが、潜在的に危険なものから体の重要な臓器を守ることです。
そして、外からの危険な侵入者を取り除く手段のひとつが「ひっかくこと」だったのです。
衣類の繊維による刺激を受けたり、虫に刺されたりした場合、その領域の神経受容体は脳に警告信号を送ります。
すると、私たちは、その防御反応として、かゆみの原因となるものを追い出すために、皮膚上の何らかのかゆみをひっかいて取り除こうとするのです。
かゆみをかくと気持ちよく感じる理由
さらに、かくこと自体が、かゆみを軽減するのにも役立ちます。
なぜなら、ひっかくことで痛みの受容体が活性化されるからです。
特殊な神経細胞上の受容体から送られたかゆみ信号の警告メッセージは、脊髄のニューロンによってかゆみ信号の代わりに痛み信号として脳に伝わります。
痛みの信号が脳に届くと、セロトニンと呼ばれる神経伝達物質が放出されます。
これは幸福に関連した化学物質で、私たちの気分を良くし、痛みを和らげる働きがあります。
ゆえに、かゆみをひっかくと、気分がよくなったように感じるのです。