人工的に雨を降らせる技術って何?

自然科学・地球科学

ジオエンジニアリングという言葉を聞いたことはありますか?

科学とテクノロジーを融合させた高度な環境工学の一種で、「クラウド・シーデイング(雲の種まき)」から「成層圏へのエアロゾル噴射」まで、さまざまな技術によって、地球の気候をコントロールしようとする技術です。

以前、予期せぬ形で、天気に影響を与え、雨を生み出している人間の行いがあることを紹介しましたが、実際に雨の量を操作しようとする実験は行われています。

たとえば、アラブ首長国連邦は現在、ドローンを使って人工雨を降らせています。

雲の種をまくことで、晴天時の降雨量を30~35%増やすことができるようです。

また、この技術は、霧を晴らして視界を改善したり、あられを小さくして雹(ひょう)の嵐を防ぐことにもつながります。

しかし、これはエキサイティングな開発に聞こえるかもしれないが、それなりのリスクも伴います。

中国では、雲の種まきのやりすぎによって、想定外の被害も起きました。

以下に、クラウド・シーデイング(雲の種まき)が失敗した例もあわせて、メリットとデメリットを探り紹介します。

クラウド・シーデイング(雲の種まき)の例

世界で最も乾燥した国のトップ10に入るアラブ首長国連邦は、イギリスのレディング大学 (University of Reading)による主導によって、ドローン技術を使って人工雨を降らせています。

ドローンを使って雲に電気ショックを与える(電荷を放つ)ことで、くしに髪がくっつくように水滴同士を互いにくっつかせて、合体した水滴が十分な重さを得ると雨が形成されます。

アラブ首長国連邦の国立気象センターが公開したビデオ映像では、この技術が、気温50度を超える乾燥地帯にモンスーンのような豪雨をもたらしたことが示されています。

他にもロケットや大砲、飛行機から雲に塩のミサイルを発射する「ソルトフレア技術」もあります。

雲の中で、水分が塩粒子の周りに集まり始め、過冷却水滴(凍るはずの0℃以下になっても凍っていない状態の水滴)を凍らせます。

この氷の種は、周囲の水滴と互いに作用しあって、やがて雪の結晶に成長し、重くなって地表に雪や雨として落ちます。

しかし、雲の種まきが必ずしも計画通りにいくとは限りません。

クラウド・シーデイング(雲の種まき)のデメリット

2009年には、中国では雲の種まきをやりすぎたことで、大雨や吹雪を引き起こしています。

一部の地域に雨を降らせると、他の地域に干ばつを引き起こす可能性もあります。

それが、地球や地域ごとに天候の不均衡をまねき、生態系にもなんらかの影響を及ぼすリスクがあるのです。

今、科学者らは、成層圏エアロゾル注技術によって、成層圏にエアロゾルをまき散らすことで、太陽光を宇宙に反射し返そうとする技術にも取り組んでいるようですが、ジオエンジニアリングの運用に関しては賛否両論があります。

参照元:How artificial rain works