なぜ血液は「赤色」なのか?

血液が赤い色をしている理由人体の不思議

一見すると血管は青く見えるかもしれませんが、それは内部を流れる血液の色ではありません。

私たちの体内を流れる血液は、鮮やかな赤色から暗いレンガ色まで濃淡はさまざまですが、常に赤い色をしています。

その理由は、赤血球に含まれている特別な分子が関係しています。

以下に、血液が赤い色をしている理由について分かりやすく紹介します。

血液の赤は赤血球の色

血液の赤は赤血球の色

私たちの血液にはさまざまな成分が含まれていますが、特に重要なのは赤血球です。

赤血球の仕事は、細胞や組織の働きに欠かせない「酸素」を全身のさまざまな部分に運ぶことです。

赤血球は、鉄の成分でできている特別な分子を使用して、肺と心臓から酸素を受け取ります。

そして、この特別な分子は「ヘモグロビン」と呼ばれます。

ヘモグロビンの役割

血液のヘモグロビン

ヘモグロビン分子には、鉄を含む「ヘム」と呼ばれるタンパク質が含まれています。

鉄は、酸素と反応すると赤くなることをご存知でしょうか?

この相互作用によって、赤血球の鉄を含む分子が赤くなるため、血液は赤い色をしているのです。

しかし、赤血球の分子が酸素を集めると、その酸素が分子の形状を変え、同時に色も変えてしまいます。

血液は常に赤の色のまま

酸素がいっぱいの血液は明るい赤色に見えます。

そのため、肺や心臓を流れるときに酸素をたくさん取り込んだ血液は、鮮明な赤色に見えます。

心臓は、この酸素を豊富に含んだ血液を動脈と呼ばれる道(血管)を通して、体の遠くまで送り出します。

身体のそれぞれの部位は、この動脈血から必要な酸素を取り出します。

酸素が抜けると、血液はだんだんとどんよりとした赤色になっていき、再び酸素を取り込むために静脈と呼ばれる道(血管)を通って心臓と肺へと戻っていきます。

このどんよりと暗い血液が、私たちが皮膚の上から見ている青っぽい色の静脈です。血液が青くみえるのは目の錯覚によるものです。

実のところ、あなたの身体には、およそ10万kmにもおよぶ血管が張り巡らされており、血液は、驚くべきスピードで心臓から全身までを1分間に約2、3往復しているのです。

参照元:Why is blood red?