氷河の力とは?氷河のでき方

氷河はどうやってできるのか自然科学・地球科学

氷河は、ゆっくりと流れる氷の川とも呼ばれます。

北極と南極の極地で最もよく見られますが、オーストラリアを除くすべての大陸の山々で見ることができます。

地球の形を変えるほどの力をもち、世界最大の淡水源ともなっている氷河。

以下に氷河がどのようにしてでき、地球に影響を与えているのかについて紹介します。

氷河の形成方法

氷河は、雪が時間をかけて積もった場所に形成されます。氷河が形成されるには、数十年、さらには数百年かかることもあります。

雪が深くなるにつれて、上に積もった雪は、その重さと圧力で、下の層の雪を圧縮して氷を形成します。これが氷河の始まりです。

そして、こうしてできた氷河の重さに重力が加わると、徐々に谷の下側へと移動していくのです。

ほとんどの氷河の移動速度は非常に遅く、1年間に160フィート(50メートル)ほどしか移動しませんが、中には1日に100フィート(30メートル)もの速さで移動するものもあります。

凍結融解作用

氷河は強力です。

斜面を下りながら、ときには山々から巨大な塊を削り取ることができるため、「自然のブルドーザー」と呼ばれることもあります。

氷河は、大地の上を通過するときに地形を変えますが、その方法はいくつかあります。

凍結膨張

まず、氷河の下にある水が、下の岩の亀裂に浸み込み始めます。やがて、浸み込んだ水がその隙間で凍り、膨張すると岩の亀裂が広がり、岩を砕くことがあります(凍結膨張)。

侵食

氷河は雪が積もった場所の下に横たわるあらゆる物質を拾い上げます。

氷河が下へと流れるにつれて、これらの砕けた岩のかけらも一緒に流れ落ちます。

これらの岩や石は紙やすりのように氷河の底を削り、さらに岩や石を巻き込んでいくのです。

氷河が地表を移動するにつれて、その下の地面は滑らかになります。

これを侵食といいます。

氷堆石(モレーン)

氷河の形成

氷河は地表を浸食しながら、物質を下へと運んでいきます。

氷河がある程度の下流まで流れると気温は上がり、氷は溶け始めます。

氷は雪解け水となり、さらに下って湖、小川、海へと流れ込むのです。

ただし、岩、石、砂、粘土など溶けないものはすべて、氷河堆砂としてその場に堆積、または、取り残されていきます。

氷河が氷の状態のまま水域に達すると、氷河の破片が砕けて水中に落ち、氷山が形成されます。氷山とは、水に浮かぶ大きな氷の塊のことです。

氷河とは

氷河は地球上の寒い地域にしか存在しませんが、最後の氷河期には、今でははるかに暖かい地域にも存在していたと考えられています。

氷河が溶けてしまったところでも、太古の氷河の動きによって形成された地形は残されています。

このようにして氷河は、湖や谷などの地形を作り出し、世界最大の淡水源となっているのです。

こうして氷河は移動するにつれて地球の形を変え、地球上で最もダイナミックな自然の特徴のひとつとなっているのです。

参照元:How Glaciers Form and Erode to Create Landforms