髭を剃った後や、少し無精ひげを生やした人の顔が、青みを帯びて見えることがあります。
これは青髭とも呼ばれ、通常、肌の色が白い人に見られやすいといわれています。
そして、この異常な現象は、頭を剃ったばかりの人にも起こります。
その主な理由は、その人がうまれつきもつ肌色のキャンパスに、黒や茶色の小さな点で描かれた点描画が作成されるからです。
では、この視覚的トリックの理由と仕組みについて、この奇妙な色の変化がなぜ起こるのかをうまくあらわした19世紀の芸術的効果をもとに紹介しましょう。
点描画の仕組み
それは1886年頃、点描画として知られる絵画技法が開発されました。
この技法では、連続的な筆で描くのではなく、点を使用して絵画を作成します。
すると、視聴者の脳が、これらの点を組み合わせて全体像を形成する作業を自動的に行い、絵を完成させるというもの。
遠くから見ると、私たちの目は点の集合体をみて、実際の絵を頭の中で生き生きと描き始めます
さまざまな色の点が混ぜ合わさって、私たちの認識に全く新しい色を生み出すのです。
遠くからは点々としたヒゲの色と肌の色が混ざってみえる
ひげと緑がかった青っぽいの皮膚の色については、 白い肌でははっきりと見えますが、肌の色が濃い場合はそれほど目立ちません。
特に、剃ったばかりのとき、つまり、新しい毛がきれいでつやのある皮膚を突き抜け始めたばかりのときは明白です。
実は、クロード・モネやジョルジュ・スーラのような芸術家が点の蓄積によって私たちの心の中に絵を呼び起こすのと同じように、私たち自身の脳もひげについて同じことを行います。
無精ひげが生え始めたばかりのとき、若い毛は 白い肌に対して小さな黒、または、茶色の点のように見えます。
それを遠目から見ると、髪の色と肌の色を混ぜた緑、青、または灰色のような色に見えるのです。
黒いヒゲが緑や青の光を反射
また、黒髪は特に 赤やオレンジの領域の長い波長の光を吸収し、緑や青の領域からの光を反射すると考えられています。
これにより、ひげのある部分が、反射して目に入る緑がかった青の色合いになるのです。
さらに、この色の効果は照明にもある程度依存します。ただし、この現象は、肌の色が白い人にのみ見られます。
肌の色が濃い場合 、そのような色のぼやけを検出するためのいわば適切なキャンバスが提供されないためです。