実は、高高度で飛行中に誰かが飛行機のドアを内側から開けることは不可能です。
これには、科学的な裏付けがあります。
というのも上空では、客室内は、外部の気圧より高く調整されており、ドアには物理的に大きな力がかかり、扉はびくともしないからです。
高高度では1平方フィート(約0.3mの正方形の面積)あたり約1,100ポンド(500kg)の圧力が内側からドアを押していることになります。
(飛行機の扉は内側に動かないと開かない)
しかし、もし空中で、この巨大な圧力に打ち勝って扉を開けられたとしたらどうなると思いますか?
信じられないかもしれませんが、実際に2021年7月にそれをやろうとした女性がいます。
飛行中に扉を開くのは不可能
ノースカロライナに向かうアメリカン航空の機内で、一人の女性が突然席を立ち、扉を開けようとして客室乗務員に飛び掛かりました。
幸運なことに、客室乗務員たちは、大事に至る前に彼女を落ち着かせることに成功。
しかし、残りのフライトの間これ以上問題を起こさないように、彼女は、座席にダクトテープで固定されたそうです。
後で、その女性は精神的に参っていたことがわかりました。
映画でからのイメージとは違い、飛行中に誰かが飛行機のドアを開けることは不可能です。
さらに、そのような無謀な試みをした場合、椅子にダックテープで貼りすけられる可能性があるだけでなく、着陸後に厄介な法的問題に直面する可能性もあるのでやらないほうがよいでしょう。
繰り返しますが、上空では飛行機内は、外気圧より気圧が高く調整されています。
また、機内の気圧は外気圧よりも高いため、ドアは飛行機のフレームに密閉されています。
さらに、ドアは高高度ではロックされ、飛行機が着陸するときだけロックが解除される仕組みです。
しかし、飛行機は、着陸にむけて高度を下げると、機内の気圧を抜き始めるため、開けることが絶対に不可能とはいえなくなるようです。2023年5月にアシアナ航空機で起きた事件では上空800フィート(約243メートル )で実際に事件が起きています。
もし扉を開けられてしまった場合、私たちはどうなってしまうのでしょうか?
高度にもよりますが、上空で扉が開くと、空気が機内に渦巻いて、乗客や荷物など機内のものは全て、外へ吸い込まれるうようにして放出されてしまうでしょう。
飛行中は、扉どころか、小さな穴でさえ命取りになってしまうのです。