パナマ運河では船は自力では渡れない理由

建築・構造・ものの仕組み

パナマ運河を通過するには、船は入り口でエンジンを切らなければなりません。

まず、貨物船が運河の閘門(こうもん)に近づくと、船はエンジンを切り、プロペラを止めます。

すると、近付いてきた2隻のタグボートが、前方と後方をつないで船を牽引します。

パナマ運河では、船は、自力で閘門を通過することはできません。

続いて、船は、運河のゲートと完全に一直線になるために、他のタグボートに横から押されて壁に沿って進行方向に角度が調整されます。

船が閘門に入る直前に、運河の作業員が船の前後をミュールと呼ばれる4台の電気機関車につなぎます。

ミュールは、運河の両脇にある高電圧の鉄道線路上を移動しながら、船が閘門の壁にぶつからないように注意深く誘導します。

パナマ運河の水門はとても精密に設計されているため、今日の巨大な船が、壁とわずか数インチの隙間しかない状態でも安全に通過できます。

3段階になったパナマ運河の最後の水段を登り終えると、

船は有名なクレブラカットに到達します。岩山を切り開いて水路としたパナマ運河の最狭区間です。

クレブラカットの次に何が見えるかはご存知でしょう。

ガトゥン湖です。湖をクルーズしながら、乗客はパナマの美しい景色を楽しめます。


船が湖の終わりに到達すると、リバースウォーターステップ法によって水位は下げられ、船は海に再び出ることができるのです。

最後に1つ面白い事実があります。

パナマ運河には、多才な天才レオナルド・ダ・ヴィンチとの間に深い関係があります。

パナマ運河に応用されたレオナルド・ダ・ヴィンチの発明「マイターロック」については、こちらを参照ください。

パナマ運河の仕組みは、以下の動画で見ることができます。

The Engineering Marvel called Panama Canal