コオロギとバッタ、キリギリス。それぞれに見た目は似ていますが、何が違うのでしょうか?
まず、コオロギとバッタは、鳴き声が違います。
コオロギは高い音で鳴きますが、バッタはジジジといった低い音。キリギリスは、ジーっと大きな音を立てます。
これらの音を3種はそれぞれに羽や肢を使って出しています。
では、そもそも彼らは音をどのように聞いているのでしょうか?
以下に3種の昆虫の体の仕組みとともに、鳴き方や聞き方の違いや共通点をみていきましょう。
コオロギ・キリギリスの鳴き方
キリギリスとコオロギはどちらも同じような方法で音を立てます。
彼らは、羽をふるわせて鳴きます。では、羽にどのような秘密が隠されているのでしょうか?
まず、キリギリスの右側の羽の裏をよく見てください。
小さな黒っぽい線が見えますでしょうか。
これがその拡大写真で、たくさんのギザギザした隆起があります。
一方で、左側の羽には、とがった部分が付いています。
この二つをこすり合わせて、音を出しているのです。
この音の仕組みは、ラテン系の打楽器「ギロ」に似ており、コオロギやキリギリスは、鳴くときに片方の羽のギザギザをもう一方の翼の硬い縁にこすりつけて音を出します。
ギザギザに硬い部分が当たることで振動が生じ、その振動は大きな羽の細胞によって増幅されているのです。
これで、キリギリスとコオロギの鳴き声の秘密は羽にあることが分かりました。
一方で、バッタは、羽ではなく、上肢の内側にギザギザした隆起がたくさんあり、それを羽にこすりつけて音を立てます。
それぞれに音を立てる方法は異なりますが、共通している点もあります。
彼らの頭部には耳がないのです。
ではどうやって音を聞くのでしょうか。
ここで、キリギリスの前脚、膝の下あたりを見てください。
小さな楕円が見えますか?これがキリギリスの耳の表面鼓膜です。
キリギリスとコオロギはどちらも前足に耳があります。
一方で、バッタの耳は、2番目の足のすぐ上にあります。
さて、3番目の後ろ肢は、3種そろって大きいですね。
この後ろ肢は、ジャンプ以外にも有用な使い道があります。
お尻からフンが出たときに、この後ろ肢でフンを後方に蹴り飛ばすのです。
コオロギやキリギリス、バッタの鳴き方については以下の動画で見ることが出来ます。