実はトラは、「オレンジ色」と「黒色」のしま模様をしています。
それは、トラが獲物に見つからずに狩りを成功させるために進化した色。
ほとんどの草食動物の目には、緑色とオレンジ色が区別しにくいためです。
驚くかもしれませんが、シカには、トラが緑色に見えているのです。
以下に、トラがオレンジ色である理由について、目の仕組みと色の知覚をもとに紹介します。
人間は3つの色を識別
人間の目は、赤、緑、青の3色を識別できます。
色を知覚する視細胞(錐体)が3種類あり、私たちは、この3つの色を組み合わせてたくさんの色を見ているのです。
そのため、人間にはトラがオレンジ色に見えるというわけです。
一般的に3原色を見分けられるのは、チンパンジーやゴリラなどの大型類人猿と一部のサルのみで、ほとんどのほ乳類は、2色しか見分けることができないといわれています。
シカには緑とオレンジが同じ色
一方で、シカが認識できるのは2つの色です。
つまり、鹿の目は緑と青しか処理できません。
そのため、シカにはトラが緑色に見えるのです。
これはトラにとって効果的なカモフラージュとなり、狩りで有利に働きます。
トラの体の色「緑色」は背景にとけこむため、シカに発見されずに近づきやすくなるのです。
ちなみに、トラが黄色と認識している人は多いかもしれませんが、黄色だとオレンジ色よりもシカに分かりやすい色となってしまうので正確には黄色ではありません。
このようにして、トラはオレンジ色に進化したのです。