どうやらタコは、私たちが思っている以上に賢く、いたずら好きであるようです。
タコが人間を認識しているという証拠は、たくさんの研究結果で示され、以下のようにタコの知能を示した結果もあります。
- タコがスイッチを使って電気を消すことができる
- 電源がショートするまで電球に向かって水をかけつづけることができる
- 飼育員が見ていな一瞬の隙を判断して逃げようとする
- タコは短期記憶と長期記憶を持っている
では、タコは人間をどの程度まで認識しているのでしょうか。
さっそく下記に、同じ制服を着た2人の人間に対するタコの反応を示した研究を紹介します。
タコは人間の顔を認識している
2008年、水族館のタコが、私たち人間の顔を認識していることを示した科学的に興味深い研究結果があります。
実験では、8匹のタコを別の環境下で二週間にわたり、観察しました。
2人の人間に同じ制服を着せ、1人はタコに餌を与える人、そして、もう1人はデッキブラシでタコをつっついて困らせる役を担いました。
そして、それぞれの処置の後、タコの体の様子、行動、呼吸数などを記録。
すると、タコは、わずか2週間で、餌を与えた人の方に好んで近寄り、困らせた人には潮を吹いたり避けたりするようになったといいます。
また、体が大きなタコ4匹の呼吸数は、それぞれの処置に対して異なりましたが、小さなタコの呼吸数には、差は見られませんでした。
タコは、同じ制服を着ていても、人を見分けられることが確認されたのです。
タコの驚くべき認知能力
タコの神経系は、人間の神経系とは大きく異なる進化を遂げています。
タコの脳には、ニューロンがある程度はありますが、ニューロンのほとんどは彼らの腕にあり、腕には触覚、嗅覚、味覚などもあります。
水槽の向こう側にいる人を認識するなんて、海から来た生物には想像できないような能力ですね。私たちにとってそれは、知的な宇宙人に出会うようなもの。
しかし、実際に、飼育されたタコが、水槽から離れようとする人の袖にからみつこうとしたり、特定のスタッフが水槽の後ろを通たびに水をかけたりして、まるで離れないで欲しいとじゃれているような姿を見せることもあります。
タコのような頭足類が、個々に独自の個性をもつことを示した知能人格の研究もあります。
これらは、社会性のある動物や一夫一婦制の動物であれば理解できるかもしれませんが、タコにはあまり社会性があるようには見えません。
チンパンジーやイルカのようにタコの知能を理解する上での新たなマイルストーンであり、無脊椎動物としては初めてのことです。