チーターが、地球上で最も足の速い陸上動物であることはよく知られています。
実際に、野生のチーターは時速110kmを超えるといわれています。
これは、高速道路を走っていると、チーターが通り過ぎるのを見るようなものです。
しかし、チーターがこれほど速いのはなぜでしょうか?
以下に、チーターの足の速さの理由やチーターを追い越すことができる動物は存在するのかについてみていきましょう。
チーターの速さの秘密
チーターは、超強力な筋肉をもつ4本の脚で速く走ることができます。
そして、この爪を見てください。
グリップ力のある爪
チーターの爪は、サッカーのスパイクのように滑り止めとして働き、走っているときに地面をつかむのに役立っています。
さらに、チーターが速く走れるのは、脚力の強さだけではありません。
チーターの脚は、一歩一歩の歩幅が大きいのです。
歩幅が大きい
まずは、人間の走りを見てましょう。
オリンピックの陸上選手の中には、一歩の歩幅が約2~2.5メートルの選手がいます。
彼らはアメフト場1面を約40歩で走ることができる計算です。
では、このチーターの走りを見てみましょう。
チーターは背骨が曲がっており、前足と後ろ足が重なってバネのような働きをします。
そのため、一歩ごとに6メートル以上前方に跳ね上がることができ、アメフト場をわずか15歩で走りきることができるのです。
人間よりずっと少ない歩数ですね。
チーターの体は、まさにスピードのために作られているかのようです。
体のサイズ
次に、イオンやトラの隣にいるチーターを見てみましょう。
大きさの違いにお気づきでしょうか。
チーターは他の野生のネコ科動物よりも軽く、それがスピードにも役立っています。
実際、科学者たちは、チーターはスピードに最適なサイズだと考えています。
ペットの猫のようにこれ以上小さかったら、筋肉が小さすぎて同じスピードで走ることはできないでしょう。
また、ライオンやトラのようにこれ以上大きかったら、かえって体が重すぎてスピードは出にくくなります。
これだけのスピードがあるので、チーターに勝る動物がいるとは思えませんね。
ただし、チーターは地上最速の動物かという問いの答えは単純ではありません。
チーターより速い動物はいるのか?
たとえば、飛行最高速度が時速170kmに達するといわれるハリオアマツバメのように、速く動くことはできても、必ずしも走るとは限らない動物もいるからです。
この鳥はチーターよりもずっと速く移動できます。
では、他の陸上動物はどうでしょうか?
プロングホーンは、陸上で2番目に速い動物だと考えられています。
力強い後ろ足、長い歩幅など、チーターと同じ特徴をたくさん持っている動物です。
つま先にはクッションがあり、チーターほどではありませんが、最高速度は時速90kmで前進することができます。
しかしそれでも、プロングホーンはチーターを追い抜く可能性はゼロでもありません。
どうやるかわかりますか?
確かにチーターはプロングホーンよりも速く走ります。
しかし、チーターはスプリンターです。つまり、超高速で走れるのは数秒の間だけで、その後はスピードを落としたり、止まって休んだりする必要があります。
しかしプロングホーンは長距離ランナーです。
最初はチーターより遅いかもしれませんが、長い時間、速く走ることができます。
現在、チーターとプロングホーンは異なる大陸に生息しているため、すぐに出くわすことはないでしょう。
しかし、もしプロングホーンがチーターを追い抜く必要があるとしたら、先に走り始めることができればおそらく可能でしょう。
プロングホーンはとても優れた視力を持ち、5、6km先まで捕食者を発見することができる能力があるからです。
そして発見すると、毛皮を逆立て、背中の分泌腺から警報を促す特殊な臭いを放出して、群れの他の仲間に危険が近づいていることを知らせます。
プロングホーンはおそらく、チーターが近づく前にそれに気づいて先に走り出すことができるでしょう。
まとめると、チーターは、力強い脚と長い歩幅で陸上最速の動物だといえますが、短距離しか走ることができないので、長距離を走るプロングホーンに先行されれば、チーターは追い抜かされる可能性はあるということです。
チーターの速さについては以下の動画で確認できます。