ピラミッドと聞くと、たいていはミイラや財宝が思い浮かびますが、実際のところ中には何があるのでしょうか?
エジプト最大のギザの大ピラミッドにおいては、当時は147メートル近い高さ(現在は約138メートル)がありました。
ということは、その内部には目を見張るようなものがたくさんあるに違いないと期待しませんか?
幸運にも、私たちは4000年以上前からそこにあるピラミッド内部を3D映像によって探検できるようになりました。
ハーバード大学のギザプロジェクトによる映像探索はこちらです。
→ https://giza.mused.org/en/guided/266/inside-the-great-pyramid
どうやらピラミッドのほとんどは固い石でできており、大ピラミッドも例外ではないようです。約230万個の石灰岩のブロックでできており、それ以外はあまりありません。
しかし、財宝への期待は裏切られるかもしれませんが、ピラミッドの場合、それをある種の神秘性で補っています。
以下に、エジプトに残されたピラミッドの謎と内部について見ていきましょう。
ギザの大ピラミッド
ギザの三大ピラミッドもエジプトにある他のピラミッドと同様に王族の墓です。
なかでも大ピラミッドは、紀元前25世紀(日本の縄文時代)に統治していたファラオ、クフ王の墓として有名。
カフラー王、そして、メンカウラー王の墓を合わせたギザの三大ピラミッドの中でも最も古く、最も高さがあります。
約230万個の石灰岩のブロックでできており、内部にはほとんど何もありません。
この図は、その中にあることがわかっているものを示しています。
ギザプロジェクトの映像をもとにまず、入り口から通路を進むと
上りと下りへの分岐通路があります。
下りの通路は、通常はファラオが眠る地下の部屋に通じていますが、大ピラミッドは未完成のようです。
クフ王の石棺は、王の間と呼ばれる別の部屋にあり、別の通路を上って、天井が高く傾斜になった大ギャラリーの長い空間を抜けたところにあります。
王の間には巨大な花崗岩のブロックが並んでいます。
現在そこにあるのは巨大な花崗岩の石棺だけで、かつてはファラオのミイラが納められていたと考えられています。
象形文字ファンには残念ですが、壁は剥き出しの状態。
王の間の上には、巨大な花崗岩の板で区切られた5つの区画があります。
これらはおそらく、墓のある王の間の天井を支え、ピラミッドの重さから守るのに役立っているのでしょう。
王の間と大ギャラリーの下には、女王の間として知られる部屋がありますが、この部屋には女王はいなかったと考えられています。
これについて、クフ王の妻たちは、近くの小さなピラミッドに埋葬されていたと考える専門家もいます。
女王の間は今は空っぽですが、だからといってつまらないわけではありません。
王妃の間の北端と南端からはトンネルが伸びており、それが何のためにあるのかは謎のままです。
科学者や探検家は1990年代からロボットをこのトンネルに送って調査をはじめ、2000年代初頭には、小型のフレキシブルカメラを搭載したロボットが、このあたりの赤い象形文字が描かれた部屋の写真を持ち帰りましたが、未だにそれも解読されてはいません。
財宝に関しては、大ピラミッドの中にあったものはすべてとっくの昔に盗まれてしまったようです。
科学者たちは、赤外線スキャナー、レーザー、宇宙線探知機など、さまざまなテクノロジーを駆使してピラミッドのマッピングと探査を続けています。
2017年には、宇宙線検出器を使った科学者たちが、大ギャラリーの上に隠された部屋を発見したと報告されています。
なぜ隠し部屋がそこにあるのかはまだ誰にもわかっていませんが、そこに秘密の財宝があるわけではないようです。
大ピラミッドでは、目に見えるもの、すなわち歴史ロマンと謎に彩られた岩石が人々を今も魅了し続けています。
大ピラミッドの内部については、以下の動画で見ることができます。