ひこうき雲は、高いところを飛んでいる飛行機でしか見ることはできません。その理由は、この白くて細いひこうき雲がどのようにして形成されるのかに関係しています。
以下に、ひこうき雲の正体や、どのようにして細長い雲の線が形成されるのかについて、科学的に分かりやすく紹介します。
どうやら「ひこうき雲の線がなかなか消えずに空にあると雨が降る」といった昔ながらの言い伝えは、理にかなったものであるようです。
ひこうき雲のでき方
飛行機が飛んだあとに、細い筋状の白い雲が残されているのを目にすることがよくあります。
一体なぜこのような雲ができるのでしょうか?
上空では、空気は薄く、冷たくなります。しかし、飛行機のエンジンから出される排気ガスの温度は大気よりもはるかに高く、高度が高くなるほどその温度差は激しくなります。
すると、熱い排気ガスに含まれている水蒸気は、冷たい空気と接触することで、冷やされて氷になり、私たちが「ひこうき雲」と呼んでいる空の白い線として見えます。
実は、このひこうき雲ができるのと同様の現象が、冬の寒い日に息を吐いたときにもよく起こり、白い息を発生させていたのです。
天気とひこうき雲の関係
ひこうき雲は、全てが同じではなく、上空を横切って数キロも伸びる雲もあれば、なかには形成後すぐに消えてしまうものもあります。
実のところ、その違いは、天気を予測するときに役立っています。
一般的に、湿気の高い条件下では、長いひこうき雲が形成されるといわれています。そして、これは、雨や嵐がやってくる可能性を示しています。
そして、低湿度ではひこうき雲は短くなり、この場合は、良い天気が続く可能性を意味しています。
もし、飛行機が飛ぶ姿をみる機会があれば、次はひこうき雲を確認してみてください。
もしかしたら、傘を持って行ってよかったと感謝する日が来るかもしれませんよ。