運動をやめると体はどう変化するのか?

運動をやめた後に起こる体の変化スポーツ科学

さて、運動を習慣的にやっていた人が、「ジムに通えなくなった」、「運動がめんどくさくなった」、「療養のため」、「寒いから」など、さまざまな理由で運動をしなくなると体はどのように変化するのでしょうか?

以前に、運動をはじめた人の体が時間の経過とともにどう変化するかについて紹介しましたが今回はその逆です。

運動をしなくなると、それがたとえ1週間であっても、筋肉の状態や心肺機能が変化してしまうことを頭に入れておかなければなりません。

以下に、運動をしなくなると人の体はどのように変化するのかについて、「VO2MAX」と呼ばれる最大酸素摂取量や筋肉の状態をもとに、1週間後から2ヶ月後まで時系列で紹介していきます。

運動をやめたときの体の変化

もし、あなたが運動するのをやめた場合、体の変化は、数週間から数ヶ月にわたって徐々に引き起こされていきます。

それでは、体の変化を、時間の経過ともに詳しくみていきましょう。

1週間後

1週間の間に、もう既に健康は損なわれ始めています。

この時点で、「VO2MAX」は、5%近く失われました。

「VO2MAX」とは、体が体内に取り込める「最大酸素摂取量」のことで、マラソンランナーが自分の体を知り、科学的にトレーニングを組むときに取り入れる数値のひとつです。

「最大酸素摂取量」は、トレーニングによって高めることができ、数値が高いほど、マラソンのタイムが速くなると考えられています。

そして、数値が減ることは、筋肉のエネルギーを生成するために利用可能な酸素がより少なくなったことを意味します。つまり、エネルギーを効率的に生成できなくなったのです。

具体的な数値で表すと、もし、5キロを20分で走れていたのであれば、タイムは約10秒遅くなくなっているでしょう。

2週間から3週間後

「VO2MAX」は12%損失し、マラソン5キロのタイムは約60秒遅くなりました。そして、筋肉組織と筋力は減少しています。

4週間から7週間後

「VO2MAX」は12%から15%損失し、マラソン5キロのタイムは約3分遅くなりました。
筋肉細胞はさらに小さくなり、脂肪細胞がさらに肥大化したように感じるかもしれません

2ヶ月後

「VO2MAX」は26%損失し、おそらくマラソンを走る気力はないでしょう。

それでも運動をしないままでいると、高血圧、血中脂質量の増加、心血管疾患、肥満、うつ病、低い自己評価(自尊心の低下)などのリスクが高まります。

最後に

たしかに、体を休めることは大切です。特に、ハードな運動やレースをした後は、損傷した筋肉や体の各組織を回復させなければなりません。

しかし、ソファに寝そべってばかりいると、体力はあなたが思っている以上に失われてしまうため、活動を再開することを忘れないでください。

参照元:What Happens To Your Body When You Stop Exercising | The Human Body