運動生理学者がエリプティカル(クロス)トレーナーを決して使わない理由

エリプティカル(クロス)トレーナーは、ランニングマシンとともに人気の高い有酸素運動器具のひとつです。

一台あれば、自宅でテレビを見たり、本を読んだりしながら手軽にランニングやウォーキング、階段の昇降運動など3つの動作が行えます。

さらに、独自の楕円起動を描くペダルに足を乗せたまま運動できるため、筋肉や関節への衝撃が抑えられ、怪我のリスクを軽減しながら脂肪燃焼トレーニングができる点が、若者から高齢者まで幅広い年齢層から支持を集めている由縁です。

しかし、専門家は、エリプティカル(クロス)トレーナーの運動効果にクローズアップした場合、本当の意味で「実」をともなった有効なトレーニングとはいえないと指摘しています。

ここでは、米ニューヨーク大学(NYU)ランゴン医療センター(Langone Health)の運動生理学者Heather Miltonさんが、筋力トレーニング器具としてエリプティカル(クロス)トレーナーを選ばない理由について明らかにしたことを紹介します。

エリプティカル(クロス)トレーナーのメリットとデメリット

エリプティカルトレーナー(クロストレーナー)は、運動中に筋肉や関節にかかる衝撃を低くして、心拍数を上げるうえでは優れています。

なぜなら、足はペダルに固定されており、遠心力に導かれるように重心移動するだけでよいので、ランニングのように地面に着地するときに足にかかる衝撃が抑えられるからです。

そのため、足腰や膝の弱い人や高齢者、足首の怪我を予防したい人が、健康維持を目的に体の負担なく運動したい場合にはよいかもしれません。

しかし、体全体の筋力強化という点では不十分だといわれています。筋肉への刺激の変化が乏しく、筋力トレーニング目的として使用するには有効とはいえないからです。

エリプティカル(クロス)トレーナーの代替トレーニング法

運動生理学者は、エリプティカル(クロス)トレーナーではなく、さまざまな動きを取り入れたよりダイナミックな動きのある運動をすすめしています。

それは、エリプティカル(クロス)トレーナーを使ったトレーニングのように、一定の前後の動きだけでなく、正面を向いたり、体を回転させたり、左右に向きを変えて動くことができるようなさまざまな動作をミックスさせた総合的な運動です。

しかし、どうしてもエリプティカル(クロス)トレーナーを使用しなければならないなら、やり方を工夫することで、効果を高めることはできます。

エリプティカル(クロス)トレーナーを使うときのトレーニングのポイント

まず、足でペダルを動かすときに、惰性で動かすのではなく、踏み込んでしっかりと抵抗を感じる程度に強度を調節してください。

足だけでなく腕も動かすように意識してください。

そして、運動中は、体のコアな筋肉を活性化させて、強く引き締めた状態をずっと維持する必要があります。

このように、エリプティカルトレーナーの効果を下半身にとどめないためにも、できるだけ体全体を使ったエクササイズになるように工夫してみてください。