霧は、地面に近い点をのぞいて、雲にとてもよく似たものです。
ここでは、霧の正体とはなにか、霧がどこからどうやって生まれたのか、霧が晴れると水分はどこに行ってしまったのかについて科学的に分かりやすく紹介します。
霧が発生すると外が見えにくくなり、その中を歩くと少し湿っぽくなったり、寒く感じたりします。それはまるで大きな雨雲の中を歩いているような気分。
いったい霧とはどのようなものなのでしょうか?以下にみていきましょう。
霧の正体
実は、雲と霧は同じもので、小さな水滴でできています。
遠くから見ると、雲は厚いフワフワした枕のようにも見えますし、綿菓子のようにも見えます。
しかし実際は、雲の中を歩いても、フワフワした気持ちよさは全くありません。
ただ濡れてしまうだけ。
目には見えない水蒸気
空気中には必ず水分が含まれていますが、それは液体の状態ではありません。
液体ではなく、空気と同じ気体なので、目には見えないのです。
このような水を「水蒸気」と呼びます。
しかし、空気中に水分が多すぎると、水はお互いにひっついて、非常に小さな液滴の集まりになります。
これが空の上で起こると、これらの小さな水滴はすべて、私たちが「雲」と呼ぶものを形成します。
この現象は地面に近いところでも起こることがあり、その場合は「霧」と呼ばれます。
ただ、このようなことはあまり頻繁には起こりません。
霧はどのようにして発生するのか
霧が発生するには、地上に到達したばかりの大量の水が必要なのです。
雨が降った直後は、霧が発生するのに最適なタイミングといえます。
地面にはたくさんの水があり、空気中にもまだたくさんの水蒸気があります。
次に、温度が下がってその空気が急速に(露点以下に)冷やされると、水蒸気が集まり、小さな液滴になります(凝結)。
コップに冷たい水を入れておくと、実際にこの現象が見られます。
コップの外側できた水滴の水は、コップの中からではなく、空気中からきた水です。
冷たいグラスによって、空気中の水蒸気が急速に冷やされ、それが集まって液滴になったものです。
雲や霧は水蒸気が冷やされて目に見える「水滴」になったもの
外の空気中でこの現象が起こると、小さな液滴が空気中を漂うようになります。
この液滴が漂って広がったものが霧です。
まるで地上の雲のようですね。
霧にはたくさんの種類があり、それぞれの霧が発生する場所や冷たい空気の量によっても異なります。
最も一般的なのは「放射霧」と呼ばれるものです。
これは、水蒸気を多く含んだ空気が冷やされたときに、一晩で発生する霧のことで、空気を閉じ込めておく雲が上空にないために、地面の熱が奪われやすい状況で発生しやすくなります。
そして、この水滴は簡単に蒸発してしまうので、朝になって太陽の光が空気を再び暖めると、放射霧は消えます。
霧は消えると、どこへ行くのか
霧の中の水が熱を持ち始めると、蒸発、つまり水蒸気に戻って空気中を広がっていきます。
大気中に溶け込んだ水蒸気は小さすぎて、私たちの目では見ることができません。