なぜ北半球に大陸が多いのか?

自然科学・地球科学

地球儀を見ると、何か不思議なことに気付きませんか?

ヒント:陸地が均一に分布していない。

そうです。地球の陸地は、2/3以上の約68%が赤道から上半分(北半球)にあるのです。

南半球には残りの32%、海は57%があります。

それでは、なぜこのように北と南での大陸の偏りがあるのでしょうか?

今回は、北半球に陸地が多い理由について、地質学的に分かりやすく紹介します。

北半球と南半球で陸の偏りがある理由についての仮説

地球における北と南での陸の偏りについては、長い間、さまざまな仮説が立てられてきました。

ある人は、ミキサーにかけたスムージーのように、地球の自転が大陸を上向きに押し上げたと考えました。

またある人は、地球が冷えるにつれて逆さまになったピラミッドのように収縮し、海は面に追いやられ、陸はピラミッドのそれぞれの角にむき出しになり、そのほとんどが北側だったと考えました。

なかには、この北と南での陸の偏りは実際にはなく、巨大だがどういうわけか隠された大陸が南半球にもあるはずで、実は北と南では大陸の比率でバランスが取れているはずだと考える人もいました。

しかし、彼らはみんな間違っていました。

地球の陸地は常に動いている

北半球に多くの陸地がある実際の理由は、基本的に、とても長く、とてもゆっくりとした地質学的映画で切り取られたワンシーンを見ているに過ぎないためです。

実際、別の時代のシーンでは、ほとんどの陸地が南にあったり、あるいは、東や西にあったりする可能性が高いのです。

それは、地球の陸地は常に再配置されているからです。

プレート運動が起こる理由

地球は、地下約100kmに及ぶ深さの硬くて粘性のある岩盤で覆われ、それらは、一枚板ではなく、塊で分けられています。

この地球の表面を覆う十数枚の塊がプレートと呼ばれるもの。

このプレートが地球上のあらゆるところで動くのはなぜかについては、海底プレートが陸の下へ沈み込むためにプレート自身の重みで残された部分が引っ張られるというのが有力な説とされています。

また、プレートの下には、マントルの溶岩が不均一に加熱・冷却されることで対流が発生し、プレートを引きずりながら、あちこちに移動している、つまり、マントルの運動が、プレートを動かしているなどの説もあります。

そのため、地球上の陸地の移動についての長編映画をどの地点で一時停止するかによって、陸の位置は異なるのです。

北半球に陸地が多いのは今だけかもしれない

たとえば、2億5千万年前で映画を一時停止して、大陸移動が起こる前の仮説上の超大陸「パンゲア(Pangea)」を見ると、陸地の70%は南半球にあったと考えられています。

しかし、その頃から、南側で湧き上がる大量の熱(活発な火山活動など)と、北側のわずかに冷たいプレートの沈み込みなどにより、ほとんどの大陸プレートは、とてもゆっくりと分裂しながら北へと引っ張られ始めました。

こうして、長い年月をかけて、私たちがよく知る北半球に偏った陸の配置になっていったのです。

もし、大陸が現在のような形にならなければ、私たちはこのような北半球に偏った陸の配置について考えることすらなかったかもしれませんね。

地球の大陸は動き続け、未来では南北で半分ずつになるかもしれない

しかし、このような北への陸の偏りは長くは続かないでしょう。

映画はまだまだ続くからです。

最近のあるシュミレーションモデルでは、今後2億年ほどの間に大陸プレートが再びぶつかり合った結果、太った鶏のような形をした超大陸が形成され、赤道の上と下におよそ半分ずつで位置することになると予測されています。

私たちの世界は、長く壮大な年月をかけて変化し、これからも変化し続けるのです。

参照元:https://youtu.be/ZXfdXEonKtk

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