私たちの周りにある空気が動いているのを感じる場合、それを風と呼びます。
風は空気を動かしています。
空気は熱くなると、上に向かって上昇します。
すると、その空気がもともとあった下の場所には代わりに冷たい空気が流れ込んできます。
そのとき押し寄せる空気が風で、大気中では、上層と下層の空気が交換される対流が起こっています。
これだけでは少し分かりにくいので以下に、風が吹く理由について詳しくみていきましょう。
温度の差があると気圧の差ができる
昼と夜、季節の変化などで地球上の気温が上下すると、温度差によって大きな風のパターンができたり、同じような風が吹いたりすることがあります。
空気が上昇するところは低気圧
空気は熱せられると(体積当たりの空気の重さが)軽くなる(密度が低くなる)ので上昇し、上昇するとき、その上に乗っかっている空気の量が少なくなるので大気圧(空気が押す力)が低くなります。
空気の重さによって生じる圧力が低くなるところに低気圧が生まれるのです。
空気が下降するところは高気圧
逆に、冷たい空気は空気の量が多くなるので重くなり、下降します。下に行くほど空気の重さによる圧力は大きくなり、高気圧が生まれます。
風が吹く仕組み
実は、この空気の流れは地球規模での風を引き起こしています。
私たちは、風を見ることはできませんが、風が吹くパターンを地図に表すことはできます。地球全体を風がどのように動いているかを見ることができる図です。
地球は球形なので、太陽の放射による温まり方が、(真上から強い日差しが降り注ぐ)赤道と(低い高さから弱い日差しが当たる)極など緯度によって大きく異なります。
温度差が生じると、気圧の変化が生まれ、地球全体で大気の対流が起こるのです。
基本的に、北半球の場合は、赤道付近で熱せられた空気が上昇し、雲をつくりながら対流圏の上層を緯度30度付近まで移動し、そこで冷やされて下降し、再び赤道付近に貿易風として帰っていきます。
他にも、ジェット気流と呼ばれる風のパターンがあります。
ジェット気流とは
ジェット気流とは、中緯度(30度から60度)の高い空(対流圏上層)で吹く偏西風です。
ジェット気流は西から東へとても強く流れているので、時には飛行機にも影響を与えます。
西から東へ飛んでいる飛行機は、ジェット気流の風と同じ方向に飛んでいるので、実際には速く移動できたり、燃費がよくなるかもしれません。
ジェット気流が飛行機を後ろから押してくれるからです。
そう、それは、ブランコに乗っている友人を後ろから押すようなものです。
逆に、東から西に飛ぶ飛行機は、ジェット気流に逆らって飛ぶので、少しスピードが遅くなったり、燃費が悪くなったりするかもしれません。
身近なところで起こる風
風は、身近なところでも起こります。
皆さんも、外で遊んだときに風を感じたことがあるのではないでしょうか。
このような風は、ジェット気流のような風パターンよりも小さなスケールで発生していますが、風が吹く仕組みは同じです。
空気が少し移動すると、それと置き換わってさらに多くの空気が入り込みます。
そして、大量の空気が移動すると、天気はかなり荒れ模様になることがあります。
ときには、飛行機が風に流されることもあります。
そのため、気象学者は、ある地域にどれくらいの風が吹くかを予測(推測)する手助けをし、パイロットをはじめ、飛行機を扱う人たちは、風の動きに十分な注意を払った飛行計画を立てる必要があるのです。
風は他にも地球に影響を与えることがあります。
風は山の形も変えることができる
山や森は風の通り道を変えますが、本当に強い風は木や背の高いものを倒し、土地の形状に大きな影響を与えます。
なんと、風は、長い年月をかけて、山を壊すことさえあるのです。
これは本当で、風は、山や峡谷で小さな岩や土の破片をはがして、少しずつ吹き飛ばします。何百万年もの間、山や峡谷はすり減り、大きく変化していくのです。
これは侵食と呼ばれるもので、雨や川とともに水も大地を侵食します。
侵食され始めの頃は、ほとんど分からないかもしれませんが、時間の経過とともに、それは土地を見える形で変えていきます。
侵食は、砂丘やヤルダンのように、あらゆる種類の美しい形を作ることでも知られています。
このように風は、土地の形を変えたり、雨が降っている雲の周りを移動したり、目的地に早くたどり着いたりなどさまざまな方法で働いているのです。
参照元:What Is Wind?