貝は真珠をどうやって作るのか?

貝は真珠をどうやってつくるのか?動物・植物・生き物

真珠は、「天然石(ジェムストーン)」のグループに属していますが、生き物によって作られている点で他とは違って特別です。

一般的に、宝石にはなるような天然石の多くは、地球の変化によって生まれる無機質な鉱物であるのに対して、真珠は生体鉱物(バイオミネラル)。

ダイヤモンドやルビー、サファイア、エメラルドなどのほとんどの天然石は、地中で、岩石のかけらが(マントル運動による)高温や高圧下にさらされたり、冷却されたりしながら地球で起こる変化によって結晶化してできます。

なかにはトルコ石など、河川の堆積物によってできる鉱物もあります。

一方で、真珠は貝の体内で作られます。

日本では、虹色に輝く真珠層をつくるアコヤ貝が有名ですが、海にすむムール貝やハマグリ、ホタテ、アサリなどの二枚貝をはじめ、巻貝など貝殻をもつ軟体動物であればどんな貝でも真珠を作ることはできます

驚くかもしれませんが、あのおいしい牡蠣も、美しい光沢のある白い真珠をつくる名人なのです。

さっそく以下に、貝がどうやって真珠をつくるのか二枚貝を例にみていきましょう。

真珠の始まり

二枚貝の体は、カタツムリや貝のように自分で構築した貝殻の中にあり、普段は大きな筋肉で殻を固く閉じています。

しかし、なんらかの原因で、貝の中に不快な異物が入り込むことがあります。

それが何であれ、皮膚に刺さった破片や目に入ったホコリと同じように、この異物は貝の軟組織を傷つけてしまう恐れがあるのです。

そして、貝は殻からそのような異物を取り出すのにとても苦労します。そこで真珠の出番です。

貝が身を守るために、それらの異物を貝殻の成分で包み込んだものが真珠なのです。

真珠の作られ方

真珠の始まりは、二枚貝の硬い殻と軟組織の間に入り込んだ砂や食べカスなどの異物です。

まず、その小さな刺激物の粒子が、真珠の核となります。

貝は、殻の内部や体の組織が傷つくのを防ぐために、この異物を薄い細胞膜で囲み始めます。

それは、殻を作る外套膜(がいとうまく)と呼ばれる部分で起こり、薄い膜で核を包んだ後(真珠袋)、貝殻をつくるのと同じ成分(炭酸カルシウムやタンパク質)で、より多くの層を積み重ねて、とても丈夫に結晶化していきます。

層の材料は、組成的には殻と同じ化合物ですが、方解石(ほうかいせき)と呼ばれ、より耐久性があり、美しい光沢をつくります。

そうしてできあがったのが真珠です。

このようにして小さな粒子に、層を何度も追加してある程度の大きな真珠になるまでには1年以上かかるといわれています。

いかがでしたか?二枚貝は不快な異物を真珠にして身を守っていたのです。

このように殻をもつ貝の多くは、刺激を受けると真珠を作ることができますが、人間にとって魅力的な光沢や形を形成できるのはごくわずかだといわれています。

必ずしもきれいな丸い形になるわけではなく、貝の種類や地域によって、真珠の色や形はさまざまで、白やピンク、シルバー、青や緑の真珠まであるのです。

過去には、漁師が大粒の貝の中から34キログラムの真珠を見つけたこともあったそうです。

漁師が見つけた巨大な真珠

牡蠣を食べた女性が口の中で噛むと、50粒の小さな真珠がでてきたこともあるようです。

参照元:
What are peals
How Do Oysters Make Pearls?

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