火事が起きると、なぜ煙の中を逃げるときに、身体を低くしなければならないのでしょうか?
それは、気体の「密度」の問題です。
以下のように煙と空気の密度の違いを考えると、この身を低くした体勢にすることの大切さが分かります。
火事が起こったとき、立ったまま煙に包まれると、普通に呼吸をすることすら難しくなっていきます。
それは、空気の「密度」を考えていないために引き起こされた結果です。
「空気 vs 煙」密度対決
密度が小さいほどその物は軽くなり、密度が大きいほど重たくなります。
さて、今回のケースでは、「空気」と「煙」どちらが軽いのでしょうか?
答えは「煙です」。
煙の密度は、空気の密度よりも「小さい」ため、上へ上へと浮かんでいきます。
そして、煙が天井にたまっていく一方で、スペースを奪われた空気は下に降りてきます。
つまり、上側の煙の層ではなく、下側の空気の層に向けて身を低くすることで、有害なガスを含んだ煙を避けて、視界や呼吸をできるだけ確保できるというわけです。
そうはいっても煙は、私たちよりも速いスピードでどんどん広がっていくので早めの避難を。