ほとんどの子犬は、生後数ヶ月で母犬と離れて暮らしますが、その後も母犬のことを覚えているのでしょうか?
それは、子犬が母親と一緒に過ごした時間によって異なるため、覚えている犬もいれば、全く覚えていない犬もいます。
覚えていたとしても、ほとんどが親子という具体的な関係を覚えておらず、馴染みのある犬として認識するだけにとどまるようです。
一方で、父親は、「臨界期」と呼ばれる子犬の脳の発達における重要な時期に一緒に過ごすことがほとんどないため、子犬に父として認識されることはないと考えられています。
以下に、子犬と母親の関係についてみていきましょう。
子犬がもつ母親の記憶
子犬は、人間と同じように食料と安全を母親に依存しているため、3億にもおよぶ嗅覚信号をもつ鼻で、主に匂いを通じて母親の記憶を残していきます。
研究では、もし子犬が4カ月間母犬と暮らすことができたなら、母犬と離れてからもずっと覚えていると示されています。
特に生後2週間から16週間までの期間は、子犬の一生の中でとても重要な時期です。
この期間中、母子共通の経験が強いものであるほど、子犬は母親の記憶を強く刻みます。
視覚と嗅覚に基づいて母親と強い絆を築いているのです。
また、オキシトシンとして知られる「愛情ホルモン」も母子の犬の絆の形成に関係していると考えられています。