大気って何?地球の大気層とは

宇宙・航空科学

大気は、地球を取り囲む気体の保護層です。

地球がりんごほどの大きさだとすると、大気はりんごの皮ほどの厚さしかありません。

大気は窒素78%、酸素21%、その他のガス1%(アルゴンや二酸化炭素など)で構成されています。

ちなみに、火星や金星の大気は95%以上がCO2です。

大気の役割

この層が太陽の有害な放射線から私たちを守ってくれるので、地球上には生命が存在することができます。

大気には私たちが呼吸するための空気も含まれており、水循環の主要部分でもあります。

そして、地球を保温する役割も果たしています。大気がないと、地球の平均気温は-19℃となるでしょう。

実は、大気は、気温変化をもとに4つの主な層に分けられ、それぞれに特徴があります。

さっそく地上から最も近いものから遠いものまで、順にみていきましょう。

全ての気象現象が起こる「対流圏」

対流圏は最も低く、地球の表面から始まり、地上(海抜高度)から平均10kmまで上方に広がっています。

対流圏では、上層に行くほど、地面からの放射熱が届かなくなるために気温は低くなります

私たちは大気のこの部分に住んでおり、ほとんどの雲は対流圏に現れ、ほぼすべての天候はここで発生します。

大気の水の99%がそこにあるためです。

ここでは、暖められた空気(密度が小さい)が上昇したり、(上空で冷やされた空気が)下降したりして、上下にかき混ぜられて対流が起こるため、空気中の水蒸気が凝結して水滴や氷の粒になり、雲がつくられています。

実は、ジェット機はこの大気の対流による乱気流を避けるために、対流圏の上方、高度10,000m付近を飛びます。

また、上方にいくほど空気の密度は低くなるので、空気抵抗も減少して燃費効率も上がります。

オゾン層のある「成層圏」

次は成層圏です。対流圏の頂上から始まり、地上から約50kmの高さまで広がっています。

この層からは上に行くほど逆に気温は高くなっていきます。この気温の境目を私たちは、「圏界面」と呼びます。

成層圏にはオゾン層があり、高エネルギーの紫外線を吸収して熱に変換します。上に行くほどに大気が吸収する紫外線が強くなり、オゾンの密度が低いため、温度が上がりやすくなるのです。

気温が上昇するとはいえ、それでも氷点下を大きく下回ります。

科学者らは、この層に気象観測気球を飛ばしています。

流れ星が燃え尽きる層「中間圏」

成層圏の上には中間圏があり、地上から約80kmの高さまで伸びています。

ほとんどの流星はこの層で燃え尽きます。

中間圏は、大気の最も冷たい層で、ここでは上昇するにつれて温度は下がります。最低温度は-80から-100℃近くまで下がります。

オーロラが発生する熱圏

中間圏の上は熱圏で、ほとんどの人が地球の大気と考える最も高い場所です。

ここでは、オゾン以外の大気の原子が、太陽からの紫外線やX線などを吸収して温度を上昇させます。

それにより、熱圏の気温は500から2000℃近くまで変化しますが、この高度では空気が薄すぎるため、地表で感じる気温とは異なり、熱くはありません。

なぜなら、気温は高くとも、空気の密度があまりにも小さいので、大気を構成している分子や原子がいくら活発に動いていてもエネルギーは小さいからです。

地上とは違い、熱圏の大気は、分子よりも原子の形で存在します。

これらの大気中の窒素原子や酸素原子が、太陽風によってやってくる電気を持った粒(電子や陽子)とぶつかり、オーロラを発生させます。

オーロラは、主に中間圏の最上部から熱圏の最下部で発生します。

国際宇宙ステーションは、熱圏の地上300から400kmの高さを周回しています。

外気圏

さらに、高度500kmを超えたあたりから外気圏と呼ばれ、大気はほとんどなくなります。

この外気圏までを空(大気圏)とするなら、宇宙は1万kmから始まることになりますが、実際には宇宙との境目に明確な規定はありません

国際航空連盟をはじめ、一般的には100km以上を宇宙空間とされていますが、アメリカ連邦航空局は80kmからと定めています。

参照元:
What are the layers of the atmosphere?
Layers of the Atmosphere