ヒトデの腕は5本ではありません。
たしかにほとんどが5本ですが、6本腕、9本腕、10本腕、なかには南極のヒトデ(Antarctic sun starfish)のように、50本以上の腕をもつ種もいます。
ヒトデは、種によって腕の数が異なったり、トゲトゲしていたり、平らだったり、風船のように膨らんたりとさまざまな種がありますが、実は、すべてに共通した奇妙な点があります。
上部にある小さな点です。
以下にヒトデの上にある小さな点の正体をはじめ、目や口、歩き方、エサの食べ方などを中心に彼らのユニークな生態について見ていきましょう。
ヒトデの上にある小さな穴の正体
すべてのヒトデの上部には、みな同じような点があります。
これは、多孔板 (madreporite) と呼ばれる穴です。
ヒトデは、この多孔板から水を体内に吸い込みます。
水を吸い込んで足を膨らませているのです。
さて、みなさんはヒトデの足を見たことがありますか?
ヒトデの歩き方
この写真にある細くてクネクネした先が丸い管が足です。
ヒトデは、何百もの小さな管足で、吸盤のように吸引力を使って、海底を這い回っています。
コンピューターでモデル化したもので見ると、それぞれの足が伸びて表面をつかみ、その足は再び前に伸びる動作を繰り返しています。
すべての足がこの動作をすることで、ヒトデは前方に移動します。
腕を使って体を前に押し出すこともできます。
ヒトデには目はあるのか?
ヒトデには腕の先端に光を感知する目があり、餌を見つけるのに役立てています。
では、ヒトデはどうやって外の世界を見ているのでしょうか?
目の前にこのような景色が広がっていたとしても、
ヒトデの視界は、とてもぼやけています。
ヒトデはどうやって食べるのか?
ヒトデには、ウニのような「歯」はありません。
ヒトデは、管足で口元にたぐりよせるようにしてエサを移動し、口から胃を体外に押し出したまま捕食することができます。
ヒトデは、肉食でいろいろな生き物を食べることができますが、主にアサリやホタテ貝などの軟体動物を好んで食べます。
時には、貝殻の隙間から胃を押し込んで、消化液で溶かしてその場で食べてしまいます。
この口から出たふわふわしたものが胃で、胃を広げて貝の身などを包み込むようにして食べます。
食べた後は、体の背中(上側)の中心にある肛門から排泄します。
ただし、肛門は小さく、殻などの消化できないものは口から吐き出したり、管足や皮膚からもガスとして排泄することがあります。
ヒトデの生態については、以下の動画で見ることができます。