親指で耳をふさぎ、両手でこぶしを作ってみてください
ゴーと響くような音が聞こえますか?
それは、あなたの筋肉が働いている音です。
こぶしを作ると、前腕の筋繊維が縮んだり広がったりしますが、そのプロセスで筋繊維が少し振動します。
実は、全身の筋肉が収縮するたびに、この音が鳴っているのです。
この音は実際にはかなり大きく、普通の会話と同じくらいの大きさだといわれています。
では、なぜ私たちは、体内の大演奏会を聴くことはできないのでしょうか?
以下に体内の音の秘密について、音の伝わり方をもとに紹介します。
体内ではどんな音が生まれているのか?
体内で発生している音は、とても大きな音だと考えられています。
ただし、それらは、低周波音であるため、人間の耳では聞き取りにくく、骨の振動で聞こえる音「骨導音」となります。
骨導音とは、音が、頭蓋骨を震わせて、その振動が直接内耳に伝わって聞こえる仕組みです。
そのため、親指で耳を塞いだり、耳の中にある小さな筋肉に力を入れたりしたときだけ、そのような雑音が聞こえるのです。
ただし、筋肉が鳴る音は、体内で起こっている奇妙な音のひとつに過ぎません。
動くものはすべて振動を生み出し、私たちは振動を音として経験するからです。
血液から、脳や脊髄を包むもの、関節を常に満たしている液体まで、 体液は常に動き回り、ゴボゴボ、ヒューヒューと音を立てています。
細胞の内容物も常に動き回り、小さな振動を起こしながら仕事をしています。
研究者によれば、甲高い叫び声のような音を出す細胞もあるといわれています。
体内音の聞こえ方
そして、耳の中にある小さな有毛細胞が、音の振動を脳への電気信号に変換することで音が聞こえるのです。
しかし、私たちは、体内の音を聞くことはできません。
それは、静かすぎるからで、あるいは、私たちの肉、骨、皮膚を通過するときにほとんど完全に消滅してしまうほど、私たちの体内の奥深くで起こっているからです。
あるいは、筋肉音のように、低周波すぎて、私たちは拾うことができない場合もあります。
私たちが実際に聞くことができるのは、十分な音量があり、適切な周波数の範囲にある音だけなのです。
心臓の鼓動は血液が壁にぶつかる音
さて、「ドクンドクン」という心臓の鼓動は、その音の原因を考えると少し奇妙です。
リズミカルな鼓動は、心臓の様々な弁がバタンと閉まる音、あるいは心筋自体が収縮したり膨張したりする音だとずっと思っていたのだが、おそらくそうではないことがわかりました。
弁が閉まるのと同時に、体内を駆け巡る血液が突然閉まったドアにぶつかる音だったようです。
この衝突が、心臓のリズミカルな鼓動音を引き起こしていたのです。
体内の音については、以下の動画で見ることができます。