さて問題です。ココナッツは、果実、ナッツ、種子のどれに分類されるのでしょうか?
じつのところココナッツは、果実でもあり、種子でもあり、ナッツでもあるかのようにそれぞれの特徴をもっているため、植物学の世界では少し謎に包まれています。
先に進む前に、 これらの植物の定義が実際に何を意味するのかを以下に紹介しながら、ココナッツの正体を探っていきましょう。
果実とは
これは、植物の受精卵の産物であり、種子を包んで守り、(動物や虫などによって)ばらまく役割があります。
そして、皆さんもご存知のように果物にはあらゆる形、大きさ、質感があります。イチゴのように柔らかいもの、リンゴのように硬いもの、バナナのようにぐにゃっとしたものも。
では、ココナッツはどうでしょうか?
上の定義によれば、ココナッツは明らかに果実です。ココナッツは、花の受精卵から発生し、内部にヤシの木の種子を包み込んで守り、種を運びますね。
ナッツとは
次は「ナッツ」という用語ですが、これは少し難しい概念です。
たとえば、樫の木の果実であるドングリがあります。ドングリは、丈夫な外殻を持っていますが、自然に裂けて種子を散布することはありません。
それなら、ココナッツの殻は硬いうえ、名前に「ナッツ」という言葉まで含まれているるのでナッツの一種と思われがちですが、植物学的には、ココナッツはナッツとはみなされていません。
ちなみに、ピーナッツも木の実ではなく豆類の種子、ゴマは一年草の植物の種なので、植物学的にはナッツではありません。
種子(しゅし)とは
最後に「種子(しゅし)」について見てみましょう。
種は、親植物からの遺伝情報を引き継ぎ、新しい植物を生み出します。種を植えると、その種は成長して新しい植物になるのです。
ココナッツの実を割ると見える大きくて硬い内部は、実は繊維状の1つの「種子」です。
これを植えると、新しいココヤシが生まれるココナッツの生殖部分です。したがって、ココナッツは、ヤシの種子です。
結論:ココナッツは種子、果実、そしてナッツである
要約すると、ココナッツは、花の受精卵から発生し、中にヤシの木の種子(生殖部分)が入っているため、 植物学的には果物です。
科学用語に基づくとナッツとはみなされませんが、硬い殻を持っているため、一般的なナッツの定義には当てはまります。
最後に、 ココナッツの中にある新しい植物に成長することができる固体の核が種子です。
したがって、 ココナッツが果物なのか、ナッツなのか、それとも種子なのかという質問に対する答えは、特徴からいうとその3つすべてといえるでしょう。
さらに、植物の分類にはいろいろなものがあり、たとえば、食用の種のなかでも、穀類と豆類以外のものは「種実類(しゅじつるい)」と呼ばれ、ココナッツもこの分類に含まれます。
ココナッツをはじめ、栗、クルミ、アーモンド、カシューナッツ、ヘーゼルナッツ、ピスタチオ、ひまわり、銀杏、ゴマも種実類です。
参照元:nut seed fruit