古代から夜空は常に、人類にとって時計でした。
太陽の動きと暗闇の世界が昼と夜を導き、月の満ち欠けによって12ヶ月が計られ、すべての季節は夏至か春分から始まりました。
北半球では春が近づくと、春分の日を迎えるまで、昼は長く、夜は短くなります。
天文学で「春分点」と呼ばれ、春の始まりの日です。
太陽が赤道の真上に来て、北半球と南半球の太陽光がほぼ同じになる日。黄道(太陽の見かけの通り道)と天の赤道(地球の赤道面を天球にまで延長)が交わる瞬間。
以下に、春分の日について、なぜ春分点が起こるのかや季節の移り変わりとともに夜空の星がどのように変化していくのかをあわせて紹介します。
春分とは
春分の日は、春の最初の日であり、昼と夜の長さがほぼ等しくなる、1年に2日あるうちの1日です。通常3月中旬以降になります。
天体の視点から 、春分とは、地球の傾きと公転軌道が、その軸を太陽から遠ざけたり近づけたりしない時である。(March Equinox:上の図で地球が一番上に位置するとき)
この時、太陽の光は地軸に対して垂直に当たり、地球の赤道を直接照らします(太陽の黄経が0度)。赤道上に立つと、春分点の一瞬だけ影が真下を落とす。
ちなみに一年に2回やってくるうちの第2分点は9月中旬以降で、秋の始まりの日(秋分)です。
春分の日の感じ方は、住んでいる半球によって異なり、私は北半球に住んでいるので、この日を境に太陽が昇るのが早くなり、日暮れが遅くなります。南半球の人は、逆に秋の始まりとなります。
星を観察していると、夜空の星のパターンや天体も変化し始めます。
春分の日と夜空の星
春の間は天の川が夜空に見えなくなるので、おとめ座銀河団やかみのけ座銀河団(coma cluster:)など特に遠くの銀河を望遠鏡で見る絶好のチャンスです。
この頃から見え始める星座には以下のようなものがあります。
かに座
しし座
おとめ座
からす座
うしかい座(上)、かんむり座(下)
かみのけ座(Coma Berenices)
ヘルクレス座(Hercules)、かんむり座(下)
こと座(Lyra)
へびつかい座(Ophiuchus)、へび座(Serpes)
そして、天の川銀河団に最も近い銀河団のおとめ座銀河団(virgo cluster)。
銀河以外にも、春に見るべき豪華な天体がいくつかあります。
私のお気に入りは、がん座にあるペレセペ星団で、ハチに見立ててBeehive(蜂の巣星団)や、メシエ44とも呼ばれることがあります。
かに座にある散開星団「M67(メシエ67)」も見ごたえがあります。
ヘラクレス座にある球状星団「M13(メシエ13)」もとても美しい星団です。
春の夜空の星座や星団、銀河などについては以下の動画で見ることができます。