驚くかもしれませんが、涙は泣く理由によって、成分が異なるんだそうです。たくさん泣いたり、感動して泣いた後に、気分がすっきりすることが多いのにもちゃんとした理由があります。
さっそく以下に、なぜ人は泣くのかについて、涙のでかたやその理由を科学的な視点でみていきましょう。
たとえば、赤ちゃんは本当によく泣きますね。
時にはママを困らせてしまうかもしれませんが、赤ちゃんにとって、泣くことは、大切なコミュニケーションツールだと考えられています。
大人になると、映画を見て泣いたり、嬉しくて泣いたりしますが、それらの涙はなぜ、どこからやってくるのでしょうか?
どうして涙は悲しみと結びつきやすいのでしょうか?
以下になぜ人は泣くのか、涙が出る仕組みをもとに科学的に考えてみていきましょう。
涙が出る理由
涙には、基礎分泌(Basal Tears)、反射性分泌(Reflex Tears)、そして情動性分泌(Emotional Tears)の3つの異なるタイプがあります。
それぞれに、涙の分泌を刺激する方法は異なりますが、涙の作られ方は全て同じです。
涙は、眼球と上まぶたの間にある涙腺で作られて分泌されます。
基礎分泌
基礎分泌の涙は、流れ落ちる前に、まばたきをすることによって、眼球全体に広がって、角膜の表面をコーティングします。
このようにして、角膜を水と油と粘液でできた透明の層で常に覆うことで、眼球が乾燥するのを防いでいるのです。
また、まぶたとの摩擦から眼球を守る潤滑油としての役割もあります。
人は、1日に平均して150mlから280ml近くの基礎涙を生成します。
反射性分泌
煙やゴミ、病原体が目に入った時や、玉ねぎを切った時、また、痛みによる涙は、反射性分泌によるものです。
外部から上記のような刺激を受けた時、角膜の三叉神経が、涙を流すように信号を脳に発信した後、副交感神経を介して涙が出ます。
反射的に出る涙の成分は、ほとんどが水分の水っぽい涙で、自分では量をコントロールできないことが多いといわれます。
情動性分泌
脳の辺縁系と視床下部が、ある刺激を受けた時に感情を強調し、自律神経系を活性化することによって、感情がコントロールできなくなった時に、心拍数が上がったり、汗をかいたりするのと同様に、涙を流します。
感情的な涙は、副腎皮質刺激ホルモンと呼ばれるストレスホルモンを含み、エンケファリンと呼ばれる鎮静作用のある神経伝達物質を分泌するため、ストレスを軽減したり、緊張をほぐしたり、ネガティブな気分を解消する効果があるといわれます。
たくさん泣いたり、感動して泣いた後に、気分がすっきりすることが多いのはそのためです。
ちなみに、激しい怒りや悲しみの涙は、塩気が多い傾向があるようです。
また、泣いた時に鼻水が出るのは、涙が目の涙点から涙道を通って鼻へ流れるためです。
参照元:Why Do We Cry?