外でのジョギングを日課にしている人、ジムや自宅でトレッドミル(ランニングマシン:ベルトの上を走ったり歩いたりする屋内用運動器具)トレーニングをしている人。
それぞれに、走るという目的は同じでもトレーニング方法が異なると、走りやメンタル面に与える影響は少しずつ異なってきます。
ここでは、健康や体を鍛える目的でランニングをする際に、外を走るのと屋内とでは何が違うのかについて、エネルギーやスピード、怪我、メンタル面への健康効果などの研究に基づいて分かってきたことを紹介します。
「外を走る」と「屋内を走る」トレーニングの違い
長年にわたる研究によって、外をランニングするのと屋内でのトレッドミルトレーニングでは、心身に及ぼす影響が異なることが分かっています。
下記に、両者の違いや特徴を紹介するので、自分にとってどのようなランニングトレーニングが最も効果的かを考える時に役立ててください。
エネルギー
研究では、ランナーは、屋内よりも屋外を走る方がより多くのエネルギーを費やしていることが分かっています。
それは、ランニングマシンでいうと1%分の傾斜を負荷した時に生み出すエネルギーに相当する違いで、この余分なエネルギーは、屋外の空気抵抗がもたらすのではないかと考えられています。
筋肉への影響
第一に、地面を走るとき、私たちは前に進むために脚の筋肉を使うので、脚の筋肉は発達し、強化されます。
しかし、トレッドミルでは、私たちが前に進む代わりに、推進ベルトが動くのでそれだけ筋肉の発達は制限されます。
第二に、トレッドミルと比べて、自然は私たちに凹凸のある路面や曲がり角を提供してくれます。それに対応するために、脚の筋肉は学習し、適応できるようになります。
その結果、筋肉の効率と横方向の敏捷性が向上するでしょう。
第三に、ほとんどのトレッドミルには下向きの傾斜はありません。そのため、ランナーは下り坂をジョギングするメリットを得る機会を経験できなくなります。
スピード
ランニングマシンを使用する人は、自分のスピードを過大評価して、実際よりも速いペースで走る傾向があります。
そのため、もし、そのペースで屋外を走った場合、同じ距離をいつもより速く走れていることになります。
これは、屋外を走る時は、周囲を過ぎ去る光景が、スピードの認識に影響を及ぼしているためだと考えられています。
怪我
屋外のランニングには、大気汚染や交通事故、熱中症などのリスクがあります。
それに対して、トレッドミルトレーニングは、姿勢の変化が少ないので一定の部位に負担がかかりやすくなり、関節や靱帯を傷める恐れがあるため、もし、同じ傾斜を同じペースで長時間走り続ける場合は、必ず動きや姿勢を変える方がよいでしょう。
屋外を走る場合は、地形の変化に基づいて、自然とステップを変えているといわれています。
メンタル面の健康
トレッドミルは、外出する必要がなく、自分の都合に合わせてジョギングできるメリットがあります。
しかし、屋外でのランニングは新鮮な空気を体に取り入れたり、紫外線を浴びて体内でビタミンDを生成したりすることもできます。
さらに研究によると、屋外を走ることは、ランナーをよりプラス思考にさせることが分かっているため、メンタル面では屋内トレーニングよりも外をランニングする方がよいといえそうです。
参照元:
・・Which is better for running – treadmill or outdoors?
・・Is Running on Treadmills Bad?