「骨折 vs 捻挫」どっちがまし?回復が早いのは?

骨折 vs 捻挫スポーツ科学

今までに、

「捻挫(ねんざ)はくせになるから骨折の方がまだましだ」
骨折すると骨が強くなる

こういった迷信のような話を耳にしたことはありませんか?

もちろん、どちらもないに越したことはありませんが、上記のような話を耳にするたびに、「実際のところ、骨折と捻挫ではどちらの方がましなんだろう?」と考えてしまうのは私だけではないはず。

とはいえ、痛みやケガの度合いなど基準にするポイントは人それぞれに異なるので、今回は「骨折と捻挫」について、どちらの方が治りやすいかという回復力の視点で比較して紹介します。

「骨折 vs 靭帯の捻挫」回復しやすいのはどちら?

早く回復したいのであれば、骨折のほうがよいかもしれません。

捻挫の多くは、関節をひねって靭帯(じんたい)が傷ついた状態。

もちろんケガの度合いにもよりますが、骨は靭帯よりずっと活発で、自己再生能力が高いので、靭帯を損傷するよりも早く治りやすいといえます。

骨は生まれ変わり続けている

骨は生きた組織

意外に感じるかもしれませんが、私たちの骨は、活発に新陳代謝を行う生きた組織です。

丈夫な骨を維持するために、骨は一生のうちに何度も生まれ変わり続けています。

この骨の生まれ変わりのプロセスは「リモデリング」と呼ばれ、私たちの体内では、1年ごとに骨格の20%が入れ替わるという、信じられないような現象が起きているのです。

骨といえば、体を支え、内臓や脳などの臓器を守る他、新しい血液細胞を作ったり、全身に使われる脂肪やミネラルを蓄えたりなど多岐に及びます。

私たちの体にとって骨はとても重要な役割を果たしているのね

そうなのよ、骨には、それだけ十分なエネルギー源と栄養を供給するために、骨格の1ミリ単位ごとに大量の血液が流れ込んでいるの

そのため、もし骨が折れても、血液はすぐそこにあるので、骨を再生するために必要な資源を骨折部に早く効率的に注入することができます。

骨の修復

このように骨に必要な資源が手元にあれば、ほとんどの骨折は6週間程度で治ると考えられています。

靭帯には修復に必要な資源が少しずつしか届かない

靭帯の修復に時間がかかる理由

一方で、「靭帯」と呼ばれる結合組織の束が行う仕事は一つ「体をつなぐ」こと。

この靭帯の仕事には、骨のように「リモデリング」と呼ばれるプロセスは必要なく、時間の経過とともに改造されることもないため、それほど多くの資源を必要としません。

靭帯は、直接血液を供給される骨とは違い、近くの組織から二次的に供給されるエネルギー源や栄養素に頼っているのです。

そのため、靭帯を損傷すると(いわゆる「捻挫」)、靭帯自体を修復するために必要な資源は、大量にではなく、少しずつしか届きません。

このようなことから、捻挫は骨折よりも治癒に時間がかかり、治るまでにはすくなくとも10週間は必要だろうといわれています。

血液の供給量と治癒の関係

軟骨と角膜の対決

膝にあるACL(十字靭帯)のような特定の靭帯は、血液の供給源から遠く離れているため、自然治癒することは難しいと考えられています。

実のところ、このように血液の供給効率が良いほど治癒が早いという経験則は、体の大部分に当てはまります。

靭帯よりもさらに血液の供給が少ない軟骨は治りが遅く、基本的に血液で満たされている筋肉は、数日で治ることもあるのです。

しかし、不思議なことに、体の中で最も治癒の早い組織といわれる角膜には、直接血液が供給されていません。

もし、目の窓である角膜が血液で満たされていれば、視界が赤く見えていたでしょう。

その代わり、目の残りの部分には素晴らしい血液供給があり、角膜のすぐ後ろにある超栄養価の高い透明な液体に常に資源を送り込んでいるのです。

角膜の仕組み

つまり、傷を治すということは、栄養やエネルギー源などの資源に素早く簡単にアクセスすることが重要であり、血液は傷ついた体を回復させる最も一般的な方法のようです。

参照元:https://youtu.be/zgdMhNnNuY0