わたしたちの手のひらには、たくさんのしわや筋、ふくらみがありますが、これらは一体何のためにあるのでしょうか?
これを運勢の判断材料として用いるのが手相占いです。しかし、手相占いには科学的な根拠はなく、手相には、それよりももっと大切な役割があるようです。
おそらく手相がなかったら、人間は、手先を今ほど器用に使うことはできなかったでしょう。
ここでは、手相の真相について、いつから、なぜ存在するのかを分かりやすく紹介します。
手相の役割
実は、手相は、母親のおなかのなかにいるとき、妊娠12週目頃には形成されます。
もし、手の平にシワやくぼみ、ふくらみが形成されていなかったら、手のひらの開閉や指の曲げ伸ばしがスムーズに行えなくなります。
鉛筆や取っ手を握ったり、物を落とさずにしっかりと持ったり、手先を器用に使って作業ができるのも手相があるからです。
手相は遺伝によって決まる
ほとんどの人が3つの主な手相を持って生まれてきます(手相占いでよく耳にする生命線と知能線と感情線にあたる深いしわ)。
しかし、手のひらにみられるしわの深さや細かさ、また、ふくらみの様子などは、遺伝子によって決まるので、人は皆生まれながらに異なった手相をもっています。
なかには、3本ではなく、1本の線のみが深く刻まれている人もいます。これは「猿線(さるせん、single palmar crease)」と呼ばれ、30人に1人の割合でみられるといわれています。
引用:猿線とは、ヒトの手掌(しゅしょう【)がサルのように切れ切れで線がはっきりせず、野球のグローブのシワのようになっているものをいう。手相学の用語を用いれば、頭脳線と感情線が1本となって掌を横断しているもの、という表現になる。手相学では、この線を『枡かけ(ますかけ)』とよび、橈側から尺側まで一直線に横断する、単一の水平屈曲線をいう場合をいう。
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一方で、1本の線が手のひらを一直線に横断した手相は、発達異常の特徴としてみられることもよくあります。
実際に、医師がダウン症候群や胎児性アルコール症候群(FAS)、ターナー症候群、アースコグ症候群、風疹症候群などの発達障害を確認するときの、ひとつの目安にもなっているようです。