さて、飲み物は固形物と同じように消化されるのでしょうか、それとも別のより速い消化経路をたどるのでしょうか?
通常、人は毎日約2リットルの水を直接、または、食べ物や他の飲み物を介して消費します。
さらに、胃液、唾液、膵液、腸液、胆汁などの消化管分泌物は約8リットルあり、それらを合わせると毎日10リットル程度の液体が胃腸に入ります。
それらの水分がどのようにして体に消化・吸収されていくのかを以下にみていきましょう。
水も食べ物も同じ消化経路
最初の消化段階は、胃の中でブレンダー(ジューサー)と同じように摂取したものがすべて混ざり合います。
私たちの歯は食べ物を機械的に粉砕し、口の中の唾液は、脂肪とでんぷんを化学的に分解します。
一方で、水はとても単純な分子構造をもつため、体は水をより小さく単純な分子に分解する必要はありません。
実際、水分子はとても小さいので、細胞膜を介して行き渡らせるのに問題はありません。
飲み物の吸収・消化方法
幸いなことに、私たちの小腸はとても機能的です。
約20フィートの長さを誇り、内表面積は約250平方メートルで、テニスコートほどの大きさです。
この大きな表面積は、水やその他の液体を素早く効率的に吸収するのに役立ちます。
水以外の飲み物
私たちが普段飲んでいる水以外の液体は、水中に浮遊している単なる化学物質です。
たとえば、フルーツジュースは主に水と砂糖で構成されており、少量の防腐剤、ビタミン、ミネラルなどの他の成分も含まれています。
砂糖は口や小腸で酵素によって分解され、体内に吸収されます。
ビタミンとミネラルは分解される場合と分解されない場合がありますが、最終的にはすべて小腸で吸収されます。
お茶や紅茶、コーヒーは同じです。
ミルクを使用すると、まずは砂糖と脂肪が口の中で分解され始め、胃に入るとすべてが機械的にかき混ぜてタンパク質が分解され始めます。
その後、小腸に届けられて、ビタミンやミネラル、アミノ酸が吸収されます。
お酒(アルコール)を飲むと、胃に入り、そこで吸収されて血流に入ります。空腹時に飲むと、血流へのアルコールの吸収には数分しかかかりませんが、胃の中にすでに食べ物がある場合は、吸収はかなり遅くなります。
基本的に、私たちが消費するものはすべて消化によってそれぞれの成分に分解されるため、豪華な食事であろうと一杯のジュースであろうと、口に入れた後の処理方法はほぼ同じなのです。