ヘアアイロンは、髪の毛の形を熱によって変化させています。
なぜ髪の毛は熱で形を変えやすいのかについては、髪の毛の内部で起こっている水素結合が関係しています。
これによって、髪の毛は、水や熱を加えると結びつきが切れやすくなり、冷やしたり乾かしたりすると再び結合する性質があるのです。
以下に髪の毛の変化の仕組みについて、ヘアアイロンの役割とともに分かりやすく紹介します。
髪は熱や水で形が変わりやすい理由
髪のキューティクルは、ケラチンと呼ばれるタンパク質で構成されています。
ケラチンがあるからこそ、私たちの髪は強くなり、簡単には切れなくなるのです。
さて、ケラチンは、水素結合によって結合されています。
この水素結合は、私たちの髪を自然な形に維持する役割を担っていますが、水や熱を加えることで結合を切断して髪の毛の形を変化させることができるのです。
髪の毛の変化の仕組み
ヘアアイロンは、この性質を利用して、熱を加えることで髪をまっすぐにするものです。
ヘアアイロンで熱を加えると、水素結合が切れて髪の毛が変化します。
この結合が切断された状態なら、髪をまっすぐにすることができるのです。
ただし、このようなスタイリングは一時的なものです。
時間が経つと、あるいは髪が水に触れると、水素結合は元の形に戻り始めます。
つまり、髪の毛は、熱と水によって形を変えやすく、乾燥していると変化しにくいのです。
よく梅雨時に、髪が広がりやすくなるのはそのためで、湿気が髪に吸収されると水素結合が切断されて形が変わり、水分によって髪のクセが戻った状態で再結合(乾燥)してしまうのです。
一方で、パーマや縮毛矯正などは、水素結合ではなく薬品を使った「化学結合」で髪の形を変えたものなので、もちが長くなるのです。